高麗青磁

高麗青磁の歴史と特性

高麗青磁（こうらいせいじ）は、朝鮮半島の高麗時代（918年 - 1391年）に生産された青磁釉を施した陶磁器です。この陶器は中国の陶磁器技術の影響を受け、特に10世紀から12世紀にかけてその製造技術が発展しました。高麗青磁は、その独特な色彩と美しいデザインで知られており、20世紀になってからも高麗時代の技術が復元された製品に対して高麗青磁と呼ばれることがあります。

高麗青磁の技術的背景

高麗青磁は、中国の呉越地方の餞州窯からの青磁技術を取り入れ、初期にはその影響を強く受けました。製造が開始されたのは古来からの調査に基づけば10世紀前半とされ、12世紀に最も高い評価を受けました。高麗青磁の釉薬は、焼成時に頭文字を「青」として、それぞれ異なる色合いを持つ青磁を生み出しており、この技術の発展によって多様な色が実現されました。

特にこの時代には、全羅南道の康津や全羅北道の扶安が主要な生産地となり、官窯的性格を持ちながら多様な製品が誕生しました。品質の高い品物は、南方よりも北方に好まれる傾向にあり、売れ行きにも影響を与えました。

高麗青磁の特徴

高麗青磁は、色合いが微妙に変化する釉薬を使用し、特に「雨過天晴」と呼ばれる澄んだ青色が評価されました。この釉薬は、特定の酸素飽和状態で焼成することによって得られるため、製造には高度な技術が求められました。器種も多岐にわたり、瓶、香炉、水滴など様々な形状が存在します。

また、12世紀には、新たな技法が加わり象嵌青磁も生み出されました。象嵌技法とは、土の色を使って図柄を彫り、異なる色の土を埋め込む手法です。この技術が加わることで、より複雑で豊かなデザインが施されるようになりました。

時代の変遷と再発見

しかし、14世紀になると高麗青磁の人気は低下し、粉青沙器が主流に変わります。その後、19世紀末に高麗青磁は再発見され、日本や西洋のコレクターによって収集されるようになります。発掘された古墳や遺跡から出土した高麗青磁は、特に日本のコレクションの中で注目を集めました。

また、20世紀に入ると日本人技術者が高麗青磁の再現技法を確立し、韓国の陶芸家たちもその技術を引き継いで現在まで続けています。高麗青磁は、韓国の文化遺産としての価値が見直されつつあります。

現在の評価とまとめ

今日、高麗青磁はその美しさと技術的背景から、依然として世界中で多くの人々に評価されています。韓国国内外の美術館では、その伝統的な技術や美的価値が展示されており、陶芸品としての重要性が再確認されています。高麗青磁は、韓国の陶磁器文化の重要な一部であり、歴史的な背景を踏まえながら現代でも魅力を放ちつづけています。

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