髪結い伊三次

髪結い伊三次

『髪結い伊三次』は、1999年4月14日から6月23日までフジテレビで放送された時代劇ドラマで、全9話から構成されています。この作品は、オール讀物新人賞を受賞した宇江佐真理による小説『髪結い伊三次捕物余話』を原作としています。

概要

物語の主人公である伊三次は、 江戸の町で出張髪結い業を営む青年です。しかし、彼にはもう一つの顔があります。それは、北町奉行所の同心・不破の下っ引きとして、様々な事件を解決に導く役目を果たしています。伊三次は髪結い道具の髷棒を手に取り、悪と戦う姿が描かれます。深川の芸者、文吉との恋愛関係や周囲の人々との交流を通じて、江戸の風俗や情緒が色濃く表現されています。

本作は、フジテレビの時代劇シリーズとして「剣客商売」や「鬼平犯科帳」に代わる作品として期待されていましたが、複雑なストーリー展開が視聴者に受け入れられず、評価はあまり高くなかったと言われています。そのため、シリーズ化はされず、1シーズンのみで終わってしまいました。

主なキャスト

• - 伊三次（中村橋之助）: 主人公で、髪結いの業を営みながら不破の手伝いも行います。特にその腕前は若いことで多くの人々に支持されており、彼の甘党ぶりも物語の一部となっています。
• - 文吉（涼風真世）: 伊三次の幼なじみで深川の芸者として生計を立てています。二人は互いに強い思いを寄せていますが、素直になれずに言い争いを繰り返します。
• - 不破友之進（村上弘明）: 北町奉行所の同心で、切れ者の頭脳を持ちながら若干のぐうたらさを併せ持つキャラクターです。
• - いなみ（伊藤かずえ）: 不破の妻で、過去には吉原に身を沈めた経験を持ち、腕っぷしの強さも誇る女性です。
• - 龍之介（岡田翔太）: 不破の10歳の息子。
• - 弥八（山田純大）: 伊三次の弟分で、少々荒っぽい性格を持ち、喧嘩好きです。

また、番組には多くのゲストが出演しており、第9話には中村勘九郎が船頭役でゲスト出演しています。

エピソードの一覧

物語は様々なエピソードから構成され、各話で新たな事件が展開されます。

• - 第1話: 盗っ人
• - 第2話: 幻の声
• - 第3話: 裏切り
• - 第4話: 赤い闇
• - 第5話: おっ母
• - 第6話: 敵討ち
• - 第7話: 初恋
• - 第8話: 二代目
• - 第9話: 約束

このドラマは、江戸時代の風俗や人間模様を描き出すことに成功し、視聴者に深い感動を与えました。脚本や演出の巧みさが際立ち、時代劇に新たな息吹を吹き込みました。

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