鬼志別演習場

鬼志別演習場の概要

鬼志別演習場（おにしべつえんしゅうじょう）は、北海道猿払村の鬼志別地区に位置し、陸上自衛隊が利用する演習施設です。1965年に設立されたこの演習場は、日本最北端の陸上自衛隊の訓練場となっています。

設備の特徴

設置初期の計画では、道北の名寄近辺に上富良野演習場に匹敵する大規模な訓練場を設ける意図がありました。しかし、実際の演習場はその面積制限から、迫撃砲などの射撃には原則として縮射弾を使用する必要があります。そのため、鬼志別演習場は小銃戦闘射場を除くと、規模が小さな他の演習場とほとんど変わらないという現実があります。

演習場内にはまとまった宿営施設が存在しないため、自衛官の宿営地は演習場の外に設置されています。鬼志別地区の中心部から徒歩圏内にある「鬼志別宿営地」では、かつてのカマボコ形状の隊舎が利用されており、マットレスを寝具として宿営しています。そこで、名寄駐屯地業務隊鬼志別管理班が常駐し、演習場の管理や宿営地の維持保全、地域との連絡業務などを担当しています。

周辺環境

鬼志別宿営地は鬼志別地区の中心街から徒歩3分ほどの距離にあり、近くのエーコープまで自衛官が買い物に出かけることもあります。猿払村は人口が少なく、主産業は農業と漁業ですが、演習場はこの地域にとって重要な収益源となっています。そのため、国道沿いには演習に訪れた自衛隊員を歓迎する看板も設置されています。また、演習場内を流れる知来別川の支流には「自衛隊川」という名が付けられています。

使用される部隊

鬼志別演習場は、主に名寄、旭川、留萌駐屯部隊が利用します。これらの部隊は、大隊、中隊、小隊の検閲や各種射撃訓練などの際に、この演習場を活用しています。演習場の存在は、自衛隊の訓練効果を高めるだけでなく、地域における防衛力強化にも寄与しています。

おわりに

鬼志別演習場は、陸上自衛隊の重要な訓練拠点としての役割を果たしており、地域社会との関係も築かれています。日本最北端の演習場として、今後も自衛隊の訓練や地域経済に貢献することが期待されています。

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