鬼怒 (軽巡洋艦)

軽巡洋艦「鬼怒」の歴史

軽巡洋艦「鬼怒」は、日本海軍の一員として1922年に就役し、長良型の5番艦として歴史に名を刻みました。艦名は、栃木県を流れる鬼怒川に由来しています。この艦は5500トン型の巡洋艦の一つで、大正11年に神戸の川崎造船所で完成しました。完成後、鬼怒は第二艦隊第五戦隊に編入され、その後も第一艦隊第三戦隊や第二艦隊第二水雷戦隊に所属し、艦歴を重ねました。

鬼怒は、1930年には日本海軍初となる呉式二号二型射出機を装備し、その後の射出実験を通じて、実用化される基礎を築きました。1934年には艦載機を水上機1機に設定し、戦闘能力を高める改装を行いました。同年には、海軍機関学校の練習艦としても利用されました。

1937年、鬼怒は日中戦争のために中国の沿岸へ出動し、1941年には連合艦隊附属第四潜水戦隊の旗艦となりました。太平洋戦争が始まると、「鬼怒」は重大な役割を果たすことになりました。開戦時、鬼怒は第四潜水戦隊に属し、様々な作戦に参加しました。

特に注目すべきは、1941年12月のマレー沖海戦での行動です。イギリス艦隊を発見した鬼怒は水偵を発艦させ、水上部隊の攻撃を指揮しましたが、最終的にはイギリス艦隊の反転により直接対決には至りませんでした。その後も、英領ボルネオ作戦や第二次マレー上陸作戦に参加し、任務を遂行しました。

続く1942年、鬼怒はジャワ作戦やニューギニア戡定作戦に従事しましたが、多くの危険と遭遇し、敵機の爆撃を受けることもありました。特に1943年には敵潜水艦による攻撃が激化し、修理を余儀なくされる場面もありました。

1944年の改装では、対空能力の強化が図られましたが、艦の運用は厳しさを増す一方でした。多くの艦が戦況の変化に翻弄される中、鬼怒も様々な任務を遂行しました。ついには1944年10月、劇的なレイテ島の戦いで重要な輸送任務に参加しましたが、アメリカの攻撃によって鬼怒はついに沈没する運命を迎えました。

歴代艦長

鬼怒の艦長は、就役初期から戦後にかけて数人が指揮を執っており、特に矢野馬吉大佐が就任した最初の艦長として知られています。彼を含む多くの艦長が日本海軍の激動の時代において、鬼怒を指揮しました。艦長の中には、戦局の変動の中で鬼怒を守り、艦の名誉を保つために尽力した者も多くいました。

軽巡洋艦鬼怒は日本海軍の歴史の中で、戦局の変遷を見つめ続けた艦であり、その艦歴は多くの人々に語り継がれています。

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