魔法のじゅうたん

魔法のじゅうたんについて

『魔法のじゅうたん』は、1961年4月5日から1963年10月2日までの間、NHKで毎週水曜日の18時から放送されていたテレビ番組です。この番組は、当時の最新の特撮技術を駆使し、美しいアニメーション映像を交えながら展開されました。司会には黒柳徹子が起用され、その軽快なトークと演技が子供たちに夢を与える大きな要因となっていました。

番組の内容

番組は、踊りながら演じる人形アニメーションで幕を開けます。アラビアの魔法使いが、魔法のじゅうたんを巧みに操ろうと試みるも、逆にじゅうたんに振り回されるというユーモラスなストーリーから始まり、画面には「魔法のじゅうたん」というタイトルが現れます。

オープニングの後は、3人の道化師による無言劇コメディが続きます。その後、「タコちゃん」と呼ばれる男の子が登場するペーパーアニメーションが展開され、タコちゃんの声を黒柳徹子が担当しました。さらに、寸劇コーナーでは、黒柳と彼女に似た別女優が共演し、教訓的な要素を織り込んだ面白いストーリーが展開されます。この番組では、黒柳だけでなく他の俳優が主役となることもあり、多様な演技が見られました。

魔法のじゅうたんへの搭乗

この番組の最も目を引くコーナーが、視聴者から選ばれた小学生が魔法のじゅうたんに乗るという特別企画です。毎週、男女1名ずつの小学生がゲストとして呼ばれ、魔法のじゅうたんに乗って希望する場所と自分たちの学校を空から訪問するという仕組みです。実際には、ヘリコプターから撮影された映像が使用されました。

アラビア風の衣装に身を包んだ黒柳徹子が、ターバンを巻いた小学生2名と共に、特設のセット上の魔法のじゅうたんに座ります。次に、アニメーションが展開され、じゅうたんが空へ飛び立つ様子が描かれます。すると、東京の市街を空撮した映像が流れ、黒柳と子供たちの会話が進んでいく構成となっています。最初の訪問先は、ゲストが希望した場所の名所や、当時の新幹線建設現場など、話題だったスポットが取り上げられます。最後に、彼らの学校の上空に向かい、校庭では子プロたちが人文字でゲストを歓迎する光景が見られました。

このコーナーでは、最初はただの空撮映像に声が重なる形式でしたが、後にはクロマキー撮影技術を用い、じゅうたんに乗った彼らの映像を合成する工夫がなされ、視覚的にも楽しませてくれました。

現存する映像

『魔法のじゅうたん』は生放送であったため、録画されたものはほとんど残っていません。しかし、第100回放送分の映像は特別な記録技術（キネコ）で残され、現在も見ることができます。また、様々な特別番組でこの番組の一部が放送されることもありました。

主な出演者

この番組では、さまざまな才能ある俳優が登場しました。特に黒柳徹子は、番組の顔となる存在で、他にも辻村真人、坂本新兵、高見映、引田天功、はせさん治といった道化師やコメディアンたちが共演しました。

放送時間

放送は毎週水曜日の18:00から18:30まで行われ、毎回多くの子供たちの憧れと夢を育んできました。子供たちにとって、この番組は魔法のじゅうたんに乗って冒険する夢のような体験であり、多くの思い出を刻むこととなりました。

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