鮎川義文

鮎川 義文（あゆかわ よしふみ）

愛知県刈谷市に1970年4月2日、鮎川義文は生を受けました。地元の刈谷市立住吉小学校、刈谷市立刈谷南中学校を卒業後、星城高等学校へ進学。高校では1年生の秋から強打者として注目され、クリーンナップの中心である4番打者を任されました。高校通算で22本の本塁打を記録するなど、長打力を持つ内野手としてその才能を開花させます。3年生として迎えた1988年の夏の愛知大会では、チームは準々決勝まで駒を進めましたが、名城大附高に惜しくも敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後、1988年度のプロ野球ドラフト会議において、阪神タイガースから6位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせます。プロ入り当初の背番号は62でした。

プロ3年目となる1990年シーズンには一軍に昇格し、主に左の代打として起用される機会が増えました。同年6月13日に行われた横浜大洋ホエールズ戦で一軍初出場を果たし、その試合の9回には斉藤明夫投手からプロ入り初打席で初安打を記録するという鮮烈なデビューを飾ります。翌日には7番・一塁手としてプロ初先発出場も経験。さらに9月9日の中日ドラゴンズ戦では、西本聖投手からプロ初打点を挙げました。

キャリアを重ねる中で、内野手としての守備も評価されるようになります。1993年シーズンには、チームの主力である松永浩美選手が故障で戦線を離脱した影響もあり、三塁手として32試合に先発出場する機会を得ました。続く1994年シーズンも、7月以降に八木裕選手が欠場したことで三塁のレギュラーポジションを獲得。この年は45試合に先発マスクを被り、打撃面でも成長を見せ、7月24日のヤクルトスワローズ戦で川崎憲次郎投手からプロ入り初本塁打を放つなど、シーズンで2本塁打を記録しました。また、1993年からは背番号を40に変更しています。阪神時代の応援歌は、後に同郷の赤星憲広選手に一時的に使用されたことでも知られています。

しかし、1995年シーズンには新外国人選手であるスコット・クールボー選手が三塁手のレギュラーに定着したため、鮎川選手の出場機会は減少しました。

1996年シーズンオフ、阪神タイガースは千葉ロッテマリーンズとの間でトレードを成立させ、鮎川選手は定詰雅彦選手との交換でロッテへ移籍することになります。ロッテでの背番号は36に変更されました。新天地での活躍が期待されましたが、ロッテ移籍後は二軍では結果を残すものの、一軍ではなかなか安打を放つことができず、移籍からの3年間で記録したヒットはわずか1本にとどまりました。

現役最後のシーズンとなった2000年には、堀幸一選手に代わって二塁手としてスタメン出場する機会もありましたが、ここで大きな飛躍を遂げることはできませんでした。そして、同シーズン終了後、自由契約となり、惜しまれつつも現役生活にピリオストを打ちました。

引退後も野球への情熱は尽きることなく、多方面で活動しています。2007年時点では、プロ野球マスターズリーグに参加し、東京ドリームスのメンバーとして再びグラウンドに立つ姿を見せていました。さらに、現役時代の先輩である松永浩美選手が2006年6月に埼玉県三郷市に開校した『松永浩美ベースボールアカデミー』において、小・中学生を対象とした若い世代の野球選手育成に力を注ぎ、指導者としても歩み始めています。

主な記録

初出場・初安打: 1990年6月13日、対横浜大洋ホエールズ9回戦（横浜スタジアム）。8回裏に三塁手として出場、9回表に斉藤明夫投手から左前安打。
初先発出場: 1990年6月14日、対横浜大洋ホエールズ10回戦（横浜スタジアム）。7番・一塁手として先発。
初打点: 1990年9月9日、対中日ドラゴンズ25回戦（阪神甲子園球場）。2回裏に西本聖投手から適時打。
初本塁打: 1994年7月24日、対ヤクルトスワローズ16回戦（明治神宮野球場）。4回表に川崎憲次郎投手から左越ソロ。
* 初盗塁: 1995年8月11日、対読売ジャイアンツ18回戦（東京ドーム）。8回表に二盗（投手：河原純一、捕手：杉山直樹）。

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