鯉ヶ窪湿原

岡山県新見市の秘境、鯉ヶ窪湿原

鯉ヶ窪湿原は、岡山県新見市哲西町にひっそりと佇む、豊かな自然が息づく場所です。標高550mの吉備高原北西部に位置し、3.6ヘクタールの広さを誇ります。その多様な生態系から「西の尾瀬沼」とも称され、訪れる人々を魅了しています。

多様な植物が織りなす四季折々の風景

湿原には、オグラセンノウ、ビッチュウフウロ、ミコシギクなど、300種を超える植物が自生しています。春にはリュウキンカが湿原を黄色に染め、夏にはサギソウが優雅な姿を見せます。秋にはビッチュウフウロやミコシギクが咲き誇り、訪れる人々を魅了します。湿原を一周する2.4kmの木の遊歩道を歩けば、季節ごとに異なる美しい景色を楽しむことができます。

リュウキンカ：春の訪れを告げる黄色い花
オグラセンノウ：夏に咲く朱色の花
サギソウ：白鷺が羽を広げたような美しい花
ビッチュウフウロ：夏から秋にかけて咲く赤紫色の花
ミコシギク：秋に白い花を咲かせる希少種

保護活動と地域との関わり

鯉ヶ窪湿原は、かつて開発の危機に瀕したこともありましたが、地元住民の強い反対と保護活動によって守られてきました。哲西町（現新見市）が湿原を買い上げ、遊歩道や案内板を整備するなど、積極的に保護に取り組んでいます。その結果、1980年には「鯉ヶ窪湿性植物群落」として国の天然記念物に指定されました。2002年には岡山県自然環境保全地域にも指定されています。

鯉ヶ窪祭

地域おこしの一環として、毎年5月3日には「鯉ヶ窪祭」が開催されます。この祭りでは、古くから伝わる「太鼓田植え」の実演や、地元特産の草餅や大野部焼の販売などが行われ、多くの人々で賑わいます。

アクセス

中国自動車道 新見ICから車で約30分
* 中国自動車道 東城ICから車で約20分


鯉ヶ窪湿原は、豊かな自然と地域の人々の努力によって守られてきた、貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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