鯉城通り

鯉城通り：広島の心臓を貫く歴史と活気の道

広島市中区に位置する鯉城通りは、広島城を想起させる名前にふさわしく、広島の街の重要な動脈として機能する主要な道路です。広島市役所前交差点から広島城南交差点までを結び、国道54号の起点区間を成しています。さらに、国道191号と全区間で重複し、紙屋町交差点以南では国道183号、国道261号とも重複するなど、交通網の中枢を担っています。

紙屋町交差点：交通と商業の中心地

鯉城通りにおける紙屋町交差点は、広島市内における交通の要衝です。広島電鉄の本線と宇品線が乗り入れ、アストラムラインの駅も近接しており、広島バスセンターも位置しています。商業施設も集中しており、そごう広島店、基町クレド、エディオン広島本店、紙屋町シャレオなど、多くの商業施設が立ち並び、活気に満ちた繁華街を形成しています。この交差点を境に、鯉城通りの性格も変化を見せます。

歴史：運河から大動脈へ

紙屋町交差点から鷹野橋交差点までの区間は、かつて広島城の外堀から広島湾へと続く西堂川という運河でした。路面電車（現在の広島電鉄宇品線）の敷設に伴い埋め立てられ、現在の道路となりました。幅員の広い道路規格となったため、7階建てまでの建物の建設が許可され、金融機関などが集積するビジネス街が形成されました。この発展は、従来の金融の中心地であった大手町通りを凌駕するほどの勢いがありました。

第二次世界大戦後、大日本帝国陸軍の用地だった紙屋町交差点以北の区間も、民間へ開放されたことで道路として整備され、1949年には開通しました。この区間は「マッカーサー道路」と呼ばれ、戦後の広島復興の象徴的な存在となりました。2008年には、国道54号旧道の一部区間の管理が広島市に移管されたことにより、紙屋町交差点以北における国道183号と国道261号との重複区間が解消されました。

沿線施設：行政、商業、文化が交差する

鯉城通り沿線には、広島市役所、中区役所、広島中央郵便局といった行政機関のほか、中国電力本社、NHK広島放送局といった企業、そして数多くの商業施設、ホテルが立地しています。さらに、広島本通商店街、アストラムラインの本通駅、県庁前駅、そして広島城といった歴史的建造物や文化施設も存在し、多様な機能が一体となった空間を形成しています。

交通：複数の路線が交差する複雑なネットワーク

鯉城通りは、路面電車、アストラムラインといった公共交通機関と、多くのバス路線が交差する複雑な交通ネットワークを形成しています。そのため、交通量が多く、常に活気に満ちた状態が維持されています。交通量の多さから、渋滞が発生することもありますが、広島の街の重要なインフラとして機能し続けています。

まとめ：広島の現在と未来を繋ぐ道

鯉城通りは、歴史と近代が融合した広島の街を象徴する道路です。かつて運河であった場所が、現在の賑わいのある大動脈へと変貌を遂げたその歴史は、広島の歩みそのものを映し出しています。これからも、広島の街の発展を支える重要な役割を果たし続けることでしょう。沿線の施設や交通網の整備も進み、さらなる発展が期待されます。

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