鳥居忠博

鳥居忠博：激動の時代を生きた実業家・政治家

鳥居忠博（1897年11月28日 - 1976年3月25日）は、大正から昭和にかけて活躍した実業家、政治家であり、華族（子爵）の身分を持つ人物です。旧壬生藩主の流れを汲む家柄に生まれ、激動の時代の中で多様な足跡を残しました。

生い立ちと家督相続

鳥居忠博は、旧壬生藩主で子爵であった鳥居忠文の五男として生まれました。兄である鳥居忠一が京王線での自動車事故により急逝したため、1939年（昭和14年）2月15日に家督を相続し、子爵の爵位を襲爵しました。

学歴と三井物産での活躍

学習院を経て、1923年（大正12年）に東京帝国大学経済学部を卒業しました。その後、三井物産に入社し、実業界でのキャリアをスタートさせました。また、三洞運輸監査役などの要職も務め、経済界に貢献しました。

貴族院議員としての活動

1946年（昭和21年）8月22日、貴族院子爵議員補欠選挙で当選し、貴族院議員として政治の世界にも足を踏み入れました。研究会に所属し、1947年5月2日の貴族院廃止までその任を務めました。短い期間ではありましたが、華族としての立場から、戦後の日本社会の変革期における政治に関与しました。

親族

鳥居忠博の母は嶺子（藪実方二女）です。結婚については、本田親済の長女である小松と結婚しましたが、後に離縁しました。その後、菊亭公長の長女である福子（よしこ）と、和田連治郎の三女である菊と再婚しています。また、鷹司信熙の三男である信通と、川島米太郎の四男である明を養子に迎えましたが、信通とは後に離縁しています。これらの親族関係からは、当時の華族社会の複雑な人間関係が垣間見えます。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年。
* 杉謙二編『華族畫報 下』吉川弘文館、2011年（華族画報社大正2年刊の複製）。

鳥居忠博は、激動の時代の中で、実業家、政治家、そして華族として多岐にわたる活動を展開しました。彼の生涯は、日本の近代史を理解する上で貴重な一例と言えるでしょう。

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