鳥居成次

鳥居成次の生涯

鳥居成次（とりい なりつぐ）は、元亀元年（1570年）に徳川家臣の鳥居元忠の三男として、三河国で生まれました。彼の幼名は久五郎でした。成次は幼少時代から父と共に徳川家康に仕官し、関ヶ原の戦いではその勇猛さを示しました。当時、父の元忠は伏見城攻防戦で石田三成によって攻め殺されたため、成次は戦後、三成に父の仇を預けられました。驚くべきことに、成次は三成に対して恨みを抱くことなく、逆に彼を厚遇しました。この心の広さが、成次の人柄を象徴しています。このようにして、成次は小身ながらも大身の主家である徳川家に対抗する姿を見せ、三成からも高く評価されたといいます。

甲斐国の統治

武田氏の滅亡後、家康が甲斐国を支配することとなり、後には豊臣政権下の大名が領地を持つことがありました。しかし、関ヶ原の戦後、家康が甲斐一国を再び直轄領とし、成次は父が以前に支配していた郡内領を管理することになりました。彼は谷村城に住み、独自の政権を築き上げました。成次は慶長8年（1603年）には従五位下・土佐守に叙任され、彼の地位は確立しました。

大坂の陣とその後

また、成次は慶長20年（1615年）の大坂の陣にも参加し、大きな功績を収めました。この戦においては、たった一日で首を28級も奪うという偉業を成し遂げています。「元和元年（1615年）」には、徳川秀忠の次男・国千代が甲斐を拝領したため、成次は甲府の朝倉宣正と共に忠長の附家老となり、さらなる影響力を持ちました。

支配機構の再編と崩壊

寛永元年（1624年）、忠長が領地を加増されると、成次も駿河国から加増を受け、3万5000石を領しました。しかし、忠長が寛永8年（1631年）に蟄居処分となると、成次も朝倉宣正と共に失脚しました。彼はその後、赦免を求めて奔走しましたが、同年6月18日に亡くなりました。享年62歳で、神田吉祥寺に埋葬されました。

成次の後と影響

成次の死後、長男の忠房も江戸方に働きかけて赦免を求めましたが、忠長は高崎に幽閉されることになりました。成次の時代、郡内支配においては、富士信仰や商業の発展が見られ、吉田の御師町が栄えていました。この時期に成次文書の数々が残されており、彼の統治や影響を伝えています。成次の晩年の試練や業績は、彼の資質を物語る大きな要素となっています。

もう一度検索