鳥居清満 (3代目)

三代目 鳥居清満について

三代目 鳥居清満（さんだいめ とりい きよみつ）は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師であり、鳥居派の六代目当主です。彼の生涯と作品、さらには彼が所属した浮世絵の世界について詳しく見ていきましょう。

来歴

清満は、天保3年12月14日（1833年2月3日）に江戸で生まれました。幼少期の名前は亀次郎と言い、後に俗に栄蔵と呼ばれるようになります。彼の父は二代目鳥居清満であり、父から直接絵を学びました。清満は若い頃から絵に親しみ、その才能を開花させることになりました。

明治元年（1868年）、清満の父が逝去した後、彼は三代目鳥居清満を名乗り、鳥居家の伝統を受け継ぐことになりました。彼の活動においては、主に芝居の看板絵や番付絵を描くことが特徴的であり、彼の作品は役者の姿を際立たせるものが多かったとされています。特に、江戸の人々に愛された役者たちを描いた作品は、当時の劇場文化を反映しており、今もなおその評価は高いです。

作品の特徴

三代目鳥居清満の作品は、主に肉筆画に見られます。代表的な作品として「漂流奇譚西洋劇」がありますが、彼の錦絵に関してはほとんど知られていません。これは、清満が伝統的な浮世絵の技法にこだわらず、独自のスタイルを追求していたからだと考えられます。

彼の描く芝居の看板絵や番付絵は、当時の日本のエンターテインメントの一部として重要な役割を果たしました。きらびやかな衣装に身を包んだ役者たちの姿や、迫力のある表情は、観客に強い印象を与え、劇場での体験をより豊かにするものでした。

生涯の終わり

享年61であった清満は、明治25年（1892年）8月19日に亡くなりました。彼の墓所は東京都豊島区の染井墓地にあり、法名は円満院栄昌信士とされています。彼の死後も、その作品は多くの人々に愛され続けており、浮世絵の歴史の中でも重要な位置を占めています。

参考文献

1. 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年 - 国立国会図書館デジタルコレクションにも収録があり、229頁、150コマ目に清満についての情報があります。
2. 吉田漱 『浮世絵の見方事典』 北辰堂、1987年 - 整理された視点から浮世絵についての理解を深めるための一助となる書籍です。

三代目鳥居清満の作品とその歴史を知ることは、浮世絵の魅力を理解するうえで欠かせない要素となるでしょう。彼の受け継いだ技術と芸術は、未来の浮世絵師たちへの道筋を照らし続けています。

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