鳥島 (八丈支庁)

鳥島（とりしま）

概要

鳥島は伊豆諸島に位置する無人島で、全域が国の天然記念物として保護されています。特に、アホウドリの生息地として非常に有名で、伊豆鳥島とも呼ばれています。2020年の情報によると、東京都に属しており、八丈支庁が管理していますが、属する市町村はまだ決まっていません。

地理

東京から南に約582kmに位置し、須美寿島や孀婦岩など、さまざまな島々に囲まれています。この島はほぼ円形の二重式成層火山で、現在も活動を続ける活火山として気象庁に認定されています。最高点は硫黄山で394mですが、明治時代には人々が暮らしていた時期もありました。現在は廃墟となった気象観測所の跡が残っています。

行政

鳥島は、1897年に東京府の管轄下に入って以来、八丈町と青ヶ島村との間で所属を巡る議論が続きました。2020年には、とうとう所属市町村は未定のまま残っています。このため、島には本籍を置くこともできず、東京都が直接管理する形をとっています。

自然

鳥島の植生は噴火の影響で未成熟で、海岸には限られた植物が生育しています。しかし、アホウドリなどの海鳥が繁殖する重要な場所であり、かつては膨大な数の海鳥が生息していました。1887年から1933年にかけての乱獲により、アホウドリは絶滅の危機に陥りますが、1952年に再発見され、その後保護活動が継続されています。1981年からは、環境庁が調査や保全事業を行っています。

生物相の中には、イソヒヨドリやウグイスなどの鳥類や、ザトウクジラやイルカなどの海洋生物が含まれています。ただし、両生類や爬虫類は確認されていません。

歴史

鳥島は活火山として古くから知られており、1871年以降、数回の噴火が記録されています。特に1902年の噴火では、多くの人が犠牲となりました。江戸時代には多くの船が漂着した経歴があり、中にはアホウドリを食料として生き延びた人々の記録も存在します。1887年から玉置半右衛門によるアホウドリの捕獲が始まり、これが島の生態系に大きな影響を与えました。

交通

現在、定期便はなく、八丈島からのチャーター船やヘリコプターでのアクセスのみが可能です。島は全体が天然記念物に指定されているため、東京都の許可がない者の上陸はできます。かつては港湾機能がありましたが、現在はその跡形もなく、接岸もゴムボートでのみ可能です。

鳥島を扱った作品

鳥島は多くの文芸作品やドキュメンタリーに取り上げられています。井伏鱒二や新田次郎などの作家が小説に描き、ノンフィクション作品も数多く存在します。特に、アホウドリの保護活動をテーマにしたものが多数出版されています。

鳥島は、その独特の生態系や歴史的背景から、今なお興味深い研究対象となっています。

もう一度検索