鳥越道場

テレビ朝日系列で不定期に、主に番組改編期に放送された特別番組『鳥越道場～一流芸能人への道～』（とりごえどうじょう いちりゅうげいのうじんへのみち）は、2005年から2006年にかけて計三回にわたり制作・放送されました。ジャーナリストとして名を馳せる鳥越俊太郎氏を番組の「道場長」に据え、若手タレントたちが一流の芸能人を目指して様々な試練に挑む姿を描いたバラエティ企画です。

番組の基本設定は、鳥越道場長のもとで門下生たるタレントたちが厳しい（時に奇妙な）修行を積み重ねるというものですが、その実態は少しユニークでした。名目上は鳥越俊太郎氏の冠番組でありながら、道場長である鳥越氏の出演時間は限られており、番組の中心的な進行役を務めたのは「師範代」として登場した中山秀征氏でした。彼が番組の舵を取り、レギュラー出演者である門下生たちが、ロケ形式の企画を通じて「一流芸能人への道」を追求するというスタイルが確立されていました。

主な出演者とエピソード：
門下生として番組を彩ったのは、主にビビる大木氏、眞鍋かをり氏、若槻千夏氏といった面々です。彼らは、時に体を張り、時に内面を晒すような企画に挑みました。

ビビる大木：実の母である偉恭子（いくこ）氏も頻繁に登場し、母が見守る前で過激な企画に挑戦させられるという、彼の出演回における名物となっていました。
眞鍋かをり：その多忙な芸能活動の影響で、第三弾では番組後半に出演しないなど、他の仕事が最優先される傾向が見られました。これは、後述する関連番組『中山道』出演時と同様の状況でした。
若槻千夏：他のレギュラー番組との放送時間重複や、他の仕事でロケに参加できないといったケースがありました。第二弾放送時は、レギュラー出演していた『うまッチ!』と放送時間が重なったため最初の15分のみの出演に留まりました。第三弾では他の仕事でロケ不参加となり電話での登場となりましたが、その際は代役として西川史子氏や磯山さやか氏が助っ人として参加したことも記録されています。
その他：第一弾には井森美幸氏や住谷正樹氏（レイザーラモンHG）が出演しています。西川史子氏と磯山さやか氏は第三弾のみの出演です。

番組の背景と特徴：
この番組を語る上で欠かせないのは、そのルーツとも言える別の深夜番組の存在です。番組のレギュラー出演者（鳥越氏を除く）は、かつてテレビ東京で放送されていた深夜バラエティ番組『中山道』の主要メンバーとほぼ共通していました。さらに、番組の内容も『中山道』と同様に、かなり下ネタを中心とした際どい企画が多く見られました。制作会社も『中山道』と同じビー・ブレーンが担当しており、実質的には『中山道』のフォーマットをテレビ朝日の特別番組として引き継ぎ、鳥越俊太郎氏を看板に据えた企画であったと言えるでしょう。この制作背景は、番組の独特な空気感や企画内容に色濃く反映されていました。

放送実績：
本番組は、好評を博し三回にわたり放送されました。各回の詳細は以下の通りです。

第一弾：2005年12月27日（火曜日）24時35分 - 25時30分 （全国ネット）
第二弾：2006年4月29日（土曜日）24時30分 - 25時30分 （『ドスペ2』枠で放送）
* 第三弾：2006年12月30日（土曜日）23時20分 - 24時45分

短期間のシリーズながら、鳥越俊太郎氏という意外な人物を道場長に据えつつ、実質的には「中山道」のノリを継承した異色の深夜バラエティ特番として、一部視聴者に強い印象を残しました。

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