鳥集忠男

鳥集 忠男 - 日本の民俗芸能研究者

鳥集忠男（とりだまり ただお）は、1926年4月17日に宮崎県高原町で生まれました。日本の民俗芸能研究者としての名声を持った彼は、特に南九州で伝わる伝統楽器「ゴッタン」の奏者としても知られています。彼の人生や業績は、地域の文化を守り伝えることに情熱を注いだ象徴的な存在でした。

幼少期と教育

鳥集は、宮崎県立都城農学校（現・宮崎県立都城農業高等学校）を卒業後、小学校や中学校で教鞭をとりました。教育者としてのキャリアを積みながら、同時に行政書士・司法書士の事務所を開設しました。この時期から文化財の調査にも関わり、地域の文化に対する関心を深めていきました。

民俗芸能との出会い

1964年、彼は事務所を訪れた農業青年との交流をきっかけに「下水流青年団」の伝承芸能を指導するようになります。これにより、彼は地域に密着した「いなかの先生」として知られるようになりました。彼の指導は、地元の若者たちに自信と誇りを育む手助けをしました。

ゴッタンとの出会い

1974年、鹿児島県財部町でゴッタンの弾き語りを行う荒武タミと出会います。視覚障害を持つタミの引く技術と歌に魅了された鳥集は、彼の弟子となり、南九州の伝統音楽を学びました。タミは後に国立劇場での舞台に立つ機会を得るなど、鳥集の推薦が彼のキャリアに大きな影響を及ぼしました。

文化財の保存活動

1977年10月、荒武タミを鹿児島民俗学会に推薦し、彼はそこで高い評価を得ることになります。タミの死後、鳥集は唯一の伝承者として、ゴッタンの技を受け継ぎ、地域の文化遺産を守っていく役割を果たしました。

1981年に発表した著書『都城の民俗芸能』では、自身の民俗芸能への思いを表現しました。この本は内外から高く評価され、推薦文を書くほどの影響力のある蒲生昌作からも認められました。この作品を通じて、「風土は人をつくる」という言葉を民俗芸能の心に置き換え、地域の文化の重要性を訴えかけました。

受賞歴と影響

彼の活動は多くの人々に認められ、1986年には宮崎日日新聞社文化賞を受賞しました。さらに、1998年には南日本文化賞を受賞し、その功績が広く知られることとなりました。

2002年8月24日、鳥集は他界しましたが、彼の影響は今もなお地域文化に深く息づいています。彼の著作や活動を通じ、後世に伝えられる教えは、地域の誇りであり続けています。鳥集忠男は単なる民俗芸能研究者ではなく、地元文化の復活と発展に寄与し続けた勇者であったと言えるでしょう。

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