鳳来寺鉄道1号形蒸気機関車

鳳来寺鉄道1号形蒸気機関車

鳳来寺鉄道1号形蒸気機関車は、1923年に鳳来寺鉄道が導入したタンク式の蒸気機関車です。この機関車はドイツから輸入されたもので、製造はオーレンシュタイン・ウント・コッペルが手掛けました。日本国内では、1922年10月に2両が製造され、1号と2号として運用されました。

機関車の概要

この1号形機関車は、動輪配置が0-6-0(C)で、飽和式の2気筒単式を採用しています。特にこの機関車は、1923年の開業時に新設計された180HPタイプの一つで、異なる寸法の3つのタイプが存在する中で、最も大きな規模を持っています。動輪の軸距は3,050mmで、動輪径は1,000mmとなっています。また、主動輪は第2動輪です。

タンクは、サイドタンクとウェルタンクがあり、ウェルタンクは第1動輪と第2動輪の上部、および両動輪間の台枠内に設置されています。サイドタンクは運転室の前から第1動輪上まで及び、前部上部は斜めに切り取られた形状です。加えて、炭庫は運転室の後部に位置しています。

鉄道の歴史と譲渡

鳳来寺鉄道は1925年に電化され、機関車2号は豊川鉄道に売却されることになりました。以後、この機関車は神中鉄道に譲渡され、さらには日本化成黒崎工場に至るまで複数の運営者の元で使用されました。1号機は鳳来寺鉄道に残り、磐城セメントに譲渡され後に改番されました。機関車の使用は1959年まで続きました。

この機関車は導入から多くの経緯を経て、それぞれ異なる運営者に渡り、様々な場所でその姿を見ることができました。

主要諸元

• - 全長: 8,053mm
• - 全高: 3,486mm
• - シリンダ寸法: 330mm×500mm
• - ボイラー中心高: 2,025mm
• - 使用圧力: 12.37atm
• - 火格子面積: 0.86m²
• - 伝熱面積: 51.47m²
• - 運転整備重量: 25.4t
• - 水タンク容量: 4.64m³
• - 積載燃料: 1.13m³
• - シリンダ引張力: 5,730kg
• - ブレーキ装置: 手用ブレーキ、蒸気ブレーキ
• - 弁装置: ワルシャート式

類似機関車

ほかに全く同型機は存在しませんが、類似した機関車が3社に5両あります。これらは鳳来寺鉄道1号に似た特徴を持ちつつも、若干の仕様の違いが見受けられます。特に口之津鉄道の10号機や鹿本鉄道のB形、国東鉄道のC形は、それぞれの鉄道路線で独自の運用がされていました。

機関車はその経年とともに多くの変化を遂げましたが、どの鉄道においても重要な役割を果たし続けています。これが鳳来寺鉄道1号形蒸気機関車の、昭和初期からのその足跡であり、鉄道史の中でも特異な存在感を示しています。

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