鳳翔府

鳳翔府について

鳳翔府（ほうしょうふ）は、中国にかつて存在した地方行政区画です。唐代に設置されてから、清代を経て中華民国初期に廃止されるまで、およそ1300年もの間、その歴史を刻みました。現在の陝西省宝鶏市一帯に位置し、時代とともにその管轄範囲や所属する行政区が変化しました。

唐代の鳳翔府

618年、唐王朝は隋の扶風郡を岐州と改めました。その後、742年には岐州は扶風郡と再び改称されました。そして757年、扶風郡は鳳翔府と名を改め、関内道に属することになりました。この時代の鳳翔府は、天興、扶風、岐山、郿（び）、虢（かく）、宝鶏、麟遊、普潤、盩厔（ちょうしつ）の9県を管轄していました。

北宋時代の鳳翔府

北宋時代になると、鳳翔府は秦鳳路に属しました。管轄する県は唐代とほぼ変わりませんが、司竹監という施設も管轄下に置かれました。この時代の鳳翔府は、天興、扶風、岐山、盩厔、郿、宝鶏、虢、麟遊、普潤の9県と司竹監を管轄しました。

金代の鳳翔府

1130年、金王朝が鳳翔府を占領し、鳳翔路に所属させました。この時、鳳翔府は鳳翔、宝鶏、虢、郿、盩厔、扶風、岐山、麟遊、普潤の9県に加え、武城、陽平、岐陽、馬蹟の4つの鎮を管轄しました。この変化は、金王朝の支配下に入ったことによる行政区画の変更を示しています。

元代の鳳翔府

1231年、モンゴル帝国が鳳翔府を占領しました。元代では、鳳翔府は陝西等処行中書省に属し、管轄する県は鳳翔、扶風、岐山、宝鶏、麟遊の5県に整理されました。この変化は、モンゴル帝国の行政制度が反映された結果と考えられます。

明代の鳳翔府

明代に入ると、鳳翔府は陝西省に属しました。この時代の鳳翔府は、直轄の鳳翔、岐山、宝鶏、扶風、郿、麟遊、汧陽の7県と、隴州を管轄しました。この時代には、より明確な地方行政区画としての役割を担っていたことが伺えます。

清代の鳳翔府

清代も引き続き鳳翔府は陝西省に属しました。管轄範囲は明代とほぼ同じで、鳳翔、岐山、宝鶏、扶風、郿、麟遊、汧陽の7県と、隴州の1州を管轄しました。この時代には、安定した地方行政が行われていたことが推測されます。

鳳翔府の廃止

1913年、中華民国によって鳳翔府は廃止されました。これにより、鳳翔府は1300年近い歴史に幕を閉じました。鳳翔府の廃止は、中国の行政制度が大きく変化したことを示す出来事です。

鳳翔府は、時代ごとに異なる王朝の影響を受けながら、それぞれの時代において重要な役割を果たしました。その変遷を辿ることで、中国の歴史や文化の一側面を深く理解することができます。

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