鳴子温泉

宮城が誇る名湯、鳴子温泉

鳴子温泉は、宮城県大崎市鳴子温泉に位置する、豊かな自然に囲まれた温泉地です。栗駒国定公園内にあり、福島県の飯坂温泉、宮城県の秋保温泉と共に奥州三名湯に数えられています。その魅力は、多種多様な泉質、情緒あふれる温泉街、そして独特のこけし文化にあります。

鳴子温泉の歴史

鳴子温泉の歴史は古く、837年には火山活動に伴い温泉が湧出したという記録が残っています。古代から中世にかけては「玉造湯」と呼ばれ、江戸時代には仙台藩領を示す「仙台鳴子の湯」として親しまれてきました。温泉地周辺では、16世紀初頭から遊佐氏が湯元を管理し、江戸時代には湯治場として繁栄しました。

鳴子温泉の泉質

鳴子温泉の最大の特徴は、10種類ある「温泉法上の温泉」のうち、なんと7種類もの泉質を楽しめることです。

塩化物泉：保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。
炭酸水素塩泉：肌をなめらかにする効果が期待できます。
硫酸塩泉：動脈硬化の予防に良いとされています。
含鉄泉：鉄分を多く含み、貧血に効果があると言われています。
酸性泉：殺菌効果が高く、皮膚病に良いとされています。
硫黄泉：独特の香りが特徴で、美肌効果が期待できます。
単純温泉：刺激が少なく、体の弱い方やお子様にもおすすめです。

特に湯元・新屋敷地区では、狭い地域にアルカリ性泉と酸性泉が近接して湧出しており、多様な泉質を楽しめるのが大きな魅力です。

鳴子温泉の温泉街

鳴子温泉街は、鳴子火山群北西の麓に位置し、荒雄川沿いに旅館やホテル、湯治宿が立ち並んでいます。温泉街には足湯や手湯もあり、気軽に温泉を楽しめます。各旅館では宿泊客に貸し出し用の下駄が用意されており、「下駄も鳴子」というキャッチフレーズのもと、下駄履きで温泉街を散策するのもおすすめです。

湯元・新屋敷地区：鳴子温泉駅の南側、鳴子火山群の麓に位置します。
車湯地区：新屋敷の東側、荒雄川南岸に位置し、国道47号に並行して温泉街を形成します。
河原湯地区：鳴子温泉駅の北側、荒雄川南岸に位置し、数件の宿が点在します。

鳴子温泉とこけし

鳴子温泉は、土湯温泉、遠刈田温泉と並ぶ三大こけし発祥の地の一つです。温泉街にはこけしを展示する日本こけし館や岩下こけし資料館があり、こけし好きにはたまらないスポットです。街の至る所にこけしが隠れていたり、こけしポストやこけし電話ボックスがあったりと、街全体でこけし文化を盛り上げています。高さ6メートルの巨大こけしは、鳴子温泉のシンボルとなっています。

鳴子温泉へのアクセス

鉄道：JR陸羽東線・鳴子温泉駅下車すぐ。
高速バス：仙台駅前からミヤコーバス・仙台 - 鳴子線で終点・車湯下車。
* 自家用車：東北自動車道古川インターチェンジから国道47号経由。

鳴子温泉で湯めぐりを楽しもう

鳴子温泉には、観光客も入浴できる共同浴場として「滝の湯」と「早稲田桟敷湯」があります。「滝の湯」は、温泉神社の御神湯として古い歴史を持ち、総ヒバ造りの浴槽が特徴です。「早稲田桟敷湯」は、早稲田大学の学生が掘り当てた源泉を利用した共同浴場で、前衛的な内外観が特徴です。その他にも、地域住民専用の浴場が点在していますので、ぜひ湯めぐりを楽しんでみてください。

鳴子温泉は、豊かな自然、多様な泉質、歴史と文化が融合した魅力的な温泉地です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

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