鴻ノ峰

鴻ノ峰（こうのみね）

山口県山口市上宇野令に位置する標高338.0mの鴻ノ峰は、山口県百名山の一つに数えられ、市民にとって手軽なハイキングコースとして親しまれています。山頂には、戦国時代に大内義長によって築かれた高嶺城の跡が残っており、歴史を感じさせる場所でもあります。

テレビ・ラジオ送信所

鴻ノ峰は、山口市街を一望できる絶好のロケーションを活かし、テレビ・ラジオの中継局が設置されています。これは、防府市の大平山にある親局の電波を補完する役割を担っており、特に山口線の大歳駅から宮野駅沿線地域をカバーしています。

中継局の名称は、NHK・民放ともに「山口鴻ノ峯」とされており、これは防府市にある親局が「山口本局」と名乗っていることと、市内における重要な中継局であることを示しています。全局が水平偏波で送信していますが、市内の一部地域では、電波の干渉を防ぐためにUHFアンテナを垂直方向に設置する世帯も見られます。

山口市仁保地区には、大手通信会社のKDDIが国際通信用の衛星地球局を設置しているため、周辺地域では電波に関する法令上の制限があります。このため、大平山の出力を上げることが難しく、鴻ノ峰に中継局が設けられています。旧市内では、大平山の電波も受信可能ですが、ほとんどの地域で鴻ノ峰からの電波を利用しています。

中継局は、スピルオーバー（電波の漏洩）を防ぐために山の中腹に設置されています。所在地は山口市上宇野令字高嶺258-4です。

地上デジタルテレビジョン放送

鴻ノ峰のデジタルテレビ放送は、全て中継局として機能しています。2006年9月1日に試験放送が開始され、同年10月1日に本免許が交付され、本放送が開始されました。

地上アナログテレビジョン放送

アナログ放送も全て中継局として機能していました。各局の正式名称は以下の通りです。

NHK: 山口鴻ノ峰テレビ中継放送所
KRY, tys: 山口鴻ノ峰中継放送所
yab: 鴻ノ峰中継放送所

FMラジオ放送

FMラジオ放送の正式名称は以下の通りです。

NHK: 山口鴻ノ峰FM中継放送所
FMY: 山口鴻ノ峰中継放送所
KRY: 山口鴻ノ峯FM

アクセス

鴻ノ峰へのアクセスは、以下の方法があります。

JR新山口駅などから防長交通バス「バイパス経由宮野」行きに乗車し、「市保険センター」で下車後、徒歩。
国道9号（山口バイパス）から中継局まで車道がありますが、道幅が狭いため離合には注意が必要です。
木戸神社側、山口大神宮、朝倉町の兄弟山からも登山道があり、徒歩でアクセスできます。

備考

山口県版の新聞ラテ欄では、NHK-FMとFMYは「山口」と表記されることが多いです。アナログ放送時代には、NHK総合テレビ・Eテレは「大平山」、民放テレビ各社は「鴻ノ峯」のチャンネルを指していました。また、NHKは鴻ノ峯のチャンネルを表記せず、民放チャンネルは「防府」（KRYは「周南」）と表記していました。

鴻ノ峰のエリア内でも、象頭山や兄弟山の山陰になる地域では電波の受信が困難な場合があります。その場合、UHFアンテナを大平山や禅定寺山に向ける必要があります。しかし、FMラジオは良好に受信できます。

アナログ放送のtysとyabについては、試験放送の開始時期が山口親局と同じでした。

脚注

KRY山口ラジオ中継局 - 山口市黒川の中国自動車道沿いに設置
NHK山口宮野テレビ中継局 - 難視聴対策のため山口市内に設置された小規模中継局
山口仁保中継局 - 同上
* 禅定寺山 - 山口市小郡に設置されたテレビ中継局

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