鵜住神社

鵜住神社

岩手県釜石市鵜住居町に位置する鵜住神社は、地域の歴史と文化を深く刻む神社です。東日本大震災では津波により大きな被害を受けましたが、地域の方々の尽力により復興を遂げました。

祭神

鵜住神社の祭神は以下の二柱です。

品牟陀和気命（ほんだわけのみこと）
大山祇命（おおやまつみのみこと）

歴史

鵜住神社は1690年（元禄3年）に勧請されました。2011年（平成23年）の東日本大震災では、鳥居3基（木製2基、石製1基）と神輿3基が津波により失われました。しかし、地域の方々の努力により、鳥居は半年後に1基、翌年に1基が再建され、2017年12月には3基目となる一番鳥居が復元されました。この一番鳥居は、高さ約5メートルの柱に銅板加工を施した笠木が特徴です。また、2018年（平成30年）から翌年にかけては、NHKの年越し番組「ゆく年くる年」でその姿が生中継されました。

文化財

鵜住神社には、以下の文化財があります。

有形文化財（県指定）

木造十一面観音立像：室町時代後期、1510年（永正7年）の作とされ、上閉伊地区における最古の年号を持つ仏像です。像の背面に銘が刻まれています。観音堂は元々一段高い場所に祀られていましたが、津波で鵜住居市街地が壊滅する中、観音堂は無傷で残りました。これは、観音堂がもともと安全な場所に建てられていたこと、そして参道が避難路として機能し、祭礼が自然な避難訓練になっていたことを示しています。実際に、多くの市民が神社に避難して難を逃れました。2012年（平成24年）11月13日に、県から有形文化財に指定されました。

天然記念物（市指定）

夫婦クロベ：1690年（元禄3年）の神社勧請の際に植えられたと伝えられる、樹齢300年を超える巨木でした。1978年（昭和53年）11月28日に市文化財（天然記念物）に指定されました。2016年時点では、本殿に向かって右側の樹高は28m、幹周472cm、根元周550cm、二股になった左側は樹高30m、幹周407cm、根元周460cmありました。しかし、東日本大震災以降、樹勢が衰退し、2016年12月に指定が解除され、翌年1月に伐採されました。

無形民俗文化財（市指定）

鵜住居虎舞：江戸時代中期頃に創始されたと伝えられる虎舞で、鵜住神社に奉納されます。神社の祭典では神輿の供として参加します。昭和初期には、銅板が巻かれた「巳之松」の銘が刻まれた横笛が発見されました。この笛は、言い伝えなどから江戸時代末期のものであると推測されています。2012年11月に市から無形民俗文化財に指定されました。

現地情報

所在地

岩手県釜石市鵜住居町第13地割28番地

交通アクセス

鉄道: 三陸鉄道リアス線鵜住居駅より徒歩18分
バス: 三陸鉄道リアス線釜石駅より岩手県交通「赤浜行、浪板行」に乗車、「新川原」バス停下車後、徒歩5分
自動車: 三陸縦貫自動車道釜石北インターチェンジより5分

周辺

釜石市立釜石東中学校
釜石鵜住居復興スタジアム

脚注

[出典] (ここに参考文献を記載)

関連項目

岩手県指定文化財一覧

外部リンク

鵜住神社 - 岩手県神社庁

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