鵜来島

鵜来島の概要

鵜来島（うぐるしま）は、高知県宿毛市の沖合に位置し、太平洋の穏やかな海に浮かぶ、美しい自然に恵まれた小さな島です。足摺宇和海国立公園に指定されており、周囲に広がる断崖絶壁や豊かな生態系が特徴です。島の面積は1.31平方キロ[[メートル]]で、周囲は約6.7キロ[[メートル]]です。また、最高地点である龍頭山は標高252メートルであり、頂上からは絶景が望めます。

島自体は約1億年前の白亜紀の水成岩で構成されており、年月を経た自然の力によって形成された壮大な風景が広がります。鵜来島は高知県宿毛市沖の島町に属し、唯一の集落が島内に存在します。この集落には、数件の住宅が山の斜面に建てられ、車が通ることができないため、自動車は存在しません。島民は現在、18人（2023年10月時点）で、地域社会は密接に結びついています。沖の島支所連絡所や漁協も設けられ、主に地元の漁業を支える役割を果たしています。

島内には飲料の自動販売機が1台のみ存在し、商店や食品を扱う店舗はないため、物資の調達は限られています。休校中の鵜来島小中学校は地域のコミュニティセンターとして活用されており、集落の中心的な役割を果たしています。また、医療施設が存在せず、医師は定期的に巡回している状況です。

設立と歴史

鵜来島には、鎌倉時代から室町時代にかけて人々が住み始めたと考えられています。藩政時代には、伊予宇和島藩の管理下にあり、政治犯の流刑地として利用されたこともあります。明治時代に入ると、鵜来島は高知県に編入され、周辺の沖の島や姫島とともにその歴史の一部となりました。

昭和時代には太平洋戦争の時期に、四国地域の防衛の重要な拠点として位置づけられ、島に軍事基地が整備されました。鵜来島には砲台や弾薬庫が設置され、本土決戦に備えていましたが、1945年8月には島民が強制疎開され、結局戦争の場とはなりませんでした。今もなお、こうした歴史は島内の遺構として残されています。

自然と観光

鵜来島は、その美しい自然環境から、磯釣りやマリンスポーツが人気のアクティビティとして知られています。特に龍頭山は、多くの訪問者にとっての観光名所であり、戦争の名残を感じながら登山を楽しむことができます。現在も山頂には砲台跡や兵舎跡が保全されており、歴史に想いを馳せることができるスポットとなっています。

集落活動センター鵜来島は2016年に開所され、地域の活動や交流を促進する場として利用されています。自然と歴史を感じるこの島は、訪問者に静かな時間を提供し、日常からの逃避を可能にしています。

交通

鵜来島への交通は、宿毛市営の定期船を利用することができます。片島港からは、毎日2便の運航があり、便利に島を訪れることができます。静かな海を渡り、豊かな自然と親しむことができるこの小さな島をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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