鶴川団地

鶴川団地の概要

鶴川団地（つるかわだんち）は、東京都町田市鶴川にある住宅団地で、日本住宅公団（現在の都市再生機構）が主導し1960年代に開発されました。この団地は、首都圏の人口増加に伴う住宅需要の高まりに応じる形で建設され、町田市内で初の住宅団地となります。団地内には、一般賃貸型と普通分譲型の住宅が含まれ、店舗も併設されています。

総戸数は、一般賃貸型が1,682戸、普通分譲型が1,300戸で、すべて5階建ての住棟です。「多摩丘陵の起伏を生かし、都市的機能を持たせた住みよい団地作り」をテーマに、多様な地形を考慮した設計がなされています。このため、斯かる設計により急坂や階段、崖などの特徴的な地形が多く見られます。

歴史的背景

町田市は1958年に4つの町と村が合併して成立しました。その際に掲げられたビジョンの一つが、都市計画区域への編入でした。そのため、町田市では公団住宅の設置を進め、そのための地域開発計画が策定されました。1959年には市議会から日本住宅公団へ大型団地造成を要望する決議が行われ、これが受け入れられたことで、1963年に鶴川地区開発が決定しました。

団地の造成は1964年から始まり、1967年に完了しました。全ての開発が整った後、団地の入居が始まりました。その後の1970年代には住民の結束により、深夜バスの運行の取り決めや生活協同組合への取り組みが進められました。

現在の状況

2020年時点での鶴川団地は、少子高齢化による人口減少が影響し、総人口が計画の約30%に当たる約7000人にまで減少しています。このような状況を受けて町田市は、2013年から再生に向けた地域検討会を設置しました。この会合を基に、地域の活性化に向けた様々な取り組みが進められています。具体的には、子育て支援や高齢者支援のプログラムが策定され、団地のハード面・ソフト面での改善が計画されています。

団地の構成

鶴川団地は、一般賃貸型の都市再生機構鶴川団地と普通分譲型の鶴川六丁目住宅、鶴川二丁目住宅で構成されています。対称的に配置された生活圏には、店舗付住棟を含む幅広い戸数が設定されており、住民にとって非常に便利な環境を提供しています。特に鶴川団地センター商店街は、地域住民の生活の中心となる店舗が集積しており、住まいと店舗が融合した独特のコミュニティ空間を形成しています。

交通と公共の場

公共交通は、最寄りの小田急小田原線鶴川駅から鶴川団地へのアクセスに関して、多数のバス路線が運行されています。これにより、都心部へのアクセスも便利で、地域住民にとって生活がしやすい環境が整っています。また、地域住民による自主運行バスの試みや、夜間バスの運行も歴史的に重要な出来事として位置づけられています。

総じて、鶴川団地は歴史的サブカルチャーの中心地としても知られ、数十年にわたる地域支援活動や住民自治が育まれてきた場所です。このような多様な文化と住民の結束が、新たな地域の形を生み出しているのです。

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