日本住宅公団

日本住宅公団の歴史と業務内容

概要

日本住宅公団は、1955年7月25日に成立した特殊法人で、主に住宅の供給と宅地造成を目的として活動していました。この法人は、住宅政策の強化と住宅不足解消を目指して設立され、1981年に解散されるまでの間、日本の住宅市場に重要な役割を果たしました。なお、戦前に存在した住宅営団とは関係がない点も特徴です。

誕生の背景

第二次世界大戦後、日本国内では大型の住宅不足が深刻化していました。特に終戦時には420万戸の住宅が必要とされ、1955年時点でもさらに271万戸が不足していたとされています。こうした状況を鑑み、政府は住宅政策を重視する必要があると考え、住宅供給を強化するために日本住宅公団を設立しました。

戦後の復興を進める中で、鳩山一郎総理大臣が衆議院本会議で施政方針演説において、住宅問題を重要な施策として位置づけ、42万戸の住宅建設を目指すと表明。これに基づき、竹山祐太郎建設大臣が公団設立の法案を提起し、都市行政区域を越えた広域的な住宅供給に特化する公団の必要性を説明しました。このようにして、日本住宅公団が設立され、戦後住宅政策の三本柱の一つとなりました。

業務内容

公団の設立後、主要な業務として、大都市圏での住宅供給に取り組みました。首都圏、近畿圏、中京圏において、住宅団地の整備が進められましたが、1955年度には住宅着工戸数が約28万戸に留まりました。これに対し、1960年度にはおよそ45万戸に達し、住宅市場の回復が図られました。このような公団住宅は、内部の間取りや設備の向上にも寄与し、広く影響を与えました。

また、公団はニュータウンの開発や土地区画整理事業も行い、住宅及び宅地の建設、分譲、賃貸そして管理に関わりました。設立された当初から徐々に業務が広がり、地域の住宅ニーズに応える形での活動が評価されました。

財務と運営

公団は毎年度、建設大臣から予算などの承認を受けて運営され、資金調達に関しては借入金や住宅債券の発行も行われました。政府からの貸付や債務引受も受けることができ、強固な経済基盤を築いていました。

出来事と課題

設立当初、特に大規模な団地開発には住民からの反対運動があったことも忘れてはならない重要な点です。例としては、常盤平団地が挙げられます。また、1972年には鶴川団地でのバルコニー落下事故が発生し、点検の結果、亀裂が発見された問題もありました。これにより住民の抗議活動が起こり、公団は安易な対策に追われる事態となってしまいました。

解散と後継機関

1981年、住宅・都市整備公団法により日本住宅公団は解散しますが、その業務は住宅・都市整備公団に引き継がれ、さらに1999年には都市基盤整備公団を経て、最後には地域振興整備公団に統合されました。最終的に2004年7月、日本住宅公団は都市再生機構（UR）として新たなスタートを切ることになります。このように、日本住宅公団の歴史は、戦後の日本の住宅政策の重要な一コマとして位置づけられています。

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