鶴羽根神社

鶴羽根神社は、広島県広島市東区二葉の里に位置する神社です。その歴史は古く、鎌倉時代に源頼政の室である菖蒲の前が現在の東広島市に落ち延びた後、その遺志を継いだ家臣の池田左衛門によって1190年に創建されたと伝えられています。

創建当初は、修理に椎の木を使ったことから「椎の木八幡宮」と呼ばれていました。しかし、享保年間（1716年～1736年）に火災に見舞われ、その後も戦乱によって荒廃してしまいました。近世に入り、ようやく復興を遂げ、1835年に現在の場所に移されました。この際、それまで鎮座していた饒津神社付近から、現在の二葉の里へと遷座しています。

1869年には、浅野長勲によって「鶴羽根八幡宮」と改称されました。さらに3年後の1872年には現在の「鶴羽根神社」という名称に改められました。この名称は、背後にそびえる二葉山が、まるで鶴が羽を広げたような姿に見えることに由来しています。

1945年8月6日に広島に原子爆弾が投下された際には、社殿は壊滅的な被害を受けましたが、その後再建されました。しかし、石鳥居、石の太鼓橋、手水舎、唐獅子、石燈籠は当時のまま残っており、歴史を今に伝えています。また、境内には松、楠、イチョウといった被爆樹木も残っており、原爆の悲劇を語り継いでいます。

境内には、創建時期は不明ですが、「朝櫻神社」と称されていた境内社と、土地古来の神である地主大神を併せ祀った「椎木稲荷神社」があります。この神社は、原爆投下後に再建された際に、鶴羽根神社の古社名である「椎の木八幡宮」にちなんで、「椎木稲荷神社」と改称されました。

また、境内には山縣豊太郎像や料亭「二葉」などもあります。さらに、広島二葉山山麓七福神の一つである弁財天が祀られており、多くの参拝者が訪れます。

鶴羽根神社へのアクセスは、以下の通りです。

住所: 広島県広島市東区二葉の里2丁目5-11
公共交通機関:
広島駅から徒歩約19分。
広島バスの中山線または深川線、広電バス5号線（牛田早稲田～広島駅～大学病院）の鶴羽根神社前バス停から徒歩約2分。

鶴羽根神社は、その歴史、文化、そして原爆からの復興という、様々な側面から広島の歴史と文化を語る上で重要な存在です。

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