鶴見川橋

鶴見川橋

概要

鶴見川橋（つるみがわばし）は、神奈川県横浜市鶴見区に位置する鶴見川に架かる橋で、旧東海道の一部を成します。この橋は、その歴史的背景と共に地域の交通に貢献してきた重要な構造物です。

歴史

鶴見川橋の歴史は深く、1601年（慶長6年）頃、徳川家康によって整備された東海道の一環として初代の橋が架けられたとされています。最初は「釣海橋」と名付けられましたが、川の鶴を見た家康が「鶴見橋」と改名させるという伝説が残っています。この橋は当時の江戸から多摩川へ向かう旅人が最初に渡る橋として重宝されていました。

当時の鶴見川は狭く流れが曲がっており、たびたび氾濫が発生する場所でした。このため、橋は数度にわたって架け替えが行われました。1696年から明治時代までの間に、少なくとも6回に渡って橋の改修が実施された記録が残っています。19世紀の資料によると、橋の長さは約45.5メートル、幅は約5.5メートルであったとされています。

さらに、1860年代には、攘夷派の浪人を取り締まるために東海道沿いに番所が設けられ、本橋の右岸にもその一つが存在しました。今でもその名残として碑が残されています。

大正末期には、下流側に新たに整備された京浜国道が「鶴見橋」と名付けられたため、本橋は「鶴見川橋」と改名されました。1953年には、長さ112メートル、幅8メートルの鋼製桁橋に改築されましたが、この橋も河川改修に伴って再度架け替えを迎えることになりました。

現橋

今の鶴見川橋は1997年度に完成しました。工事は1990年度にスタートし、流路中に橋脚を立てないように考慮されたアーチ橋の一種、ニールセンローゼ橋のデザインが採用されました。アーチ部分は淡いクリーム色に塗装され、優雅な印象を与えています。橋の長さは119.6メートル、幅は18.7メートルで、中央には往復各1車線の車道と2.5メートルの歩道が設けられています。

特に歩道部分は、東海道をイメージして自然石風の舗装材を使用しているため、訪れる人々に親しみを持たれています。橋桁の高さは19メートルにも達します。

周辺環境

鶴見川橋の右岸は鶴見中央二丁目に位置し、左岸は市場下町となっています。上流側には、JR東海道本線などの複数の橋梁がかかり、周辺には多数の交通路が存在しています。また、下流側には下水道圧送管があり、京急本線の鶴見川橋梁や国道15号の鶴見橋も近くに位置しています。

右岸には鶴見橋関門旧跡の碑があり、旧東海道から400メートルほど歩いた先には京浜方面で唯一残る一里塚の史跡も見つけられます。こうした歴史的な場所が点在し、鶴見川橋周辺は地域の歴史と文化を感じることができるスポットとなっています。

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