鷺 (鴻型水雷艇)

水雷艇「鷺」について

「鷺（さぎ）」は日本海軍に属する水雷艇であり、鴻型の7番目の艇です。この艦艇は、先代の隼型水雷艇「鷺」に続くもので、戦前及び戦中の重要な役割を果たしました。

艦艇の歴史

「鷺」は、1935年11月22日に命名され、水雷艇に分類されました。艦の建造は1936年5月20日に播磨造船所にて始まり、進水は1937年1月30日、そして同年の7月31日に竣工しました。竣工後は、呉鎮守府籍となり、第11水雷隊に編入されました。

「鷺」は日中戦争にも参加し、揚子江遡行作戦や華北及び華南沿岸作戦を遂行しました。しかし、1938年9月8日には武穴下流にて触雷し、損傷を受けるという事態にも見舞われました。

1941年7月25日には、軽巡洋艦2隻とともに水雷艇「鷺」と「鳩」が第五艦隊を編成しました。太平洋戦争の勃発後も「鷺」は北方の哨戒活動や海上護衛作戦に従事し、1941年12月17日には小笠原方面の対潜作戦を強化するために厚岸を出発し、12月26日には父島へ進出しています。

1942年1月8日には横須賀に戻り、その後も数回の出兵や出撃を繰り返しました。特に、1942年2月1日にはアメリカ軍によるマーシャル諸島への空襲を受けて、同日の出撃による哨戒任務が行われました。3月には釧路への帰投作業の誘導や、駆逐艦「沖風」と一緒に対潜作戦を行うなど、様々な任務を担いました。4月10日には第五艦隊から除かれ、第一海上護衛隊に編入されました。

戦後の行動

1943年8月31日には南シナ海でアメリカ潜水艦の雷撃を受け損傷し、1944年11月8日には高雄からマニラへ航行中、比島ボナリオ岬の近くで米潜水艦「ガンネル」の攻撃を受けて沈没しました。この一連の運命的な出来事は、最終的に「鷺」が1945年1月10日に除籍されることへと繋がります。

歴代の艇長

「鷺」の艦長として就任した人物たちにも注目が必要です。艤装員長には本倉正義少佐が1937年4月10日から就任し、水雷艇長としては1937年7月31日から1938年8月23日まで在任しました。その後も、菅原六郎少佐、山口達也少佐、井上規矩少佐、柳瀬善雄大尉、松本正平大尉といった艦長が歴任しました。これらのリーダーたちによって「鷺」は数々の任務を遂行し、艦艇の使命を果たしてきたのです。

参考文献

「鷺」についての詳しい情報は、国立国会図書館のデジタルコレクションや「海軍制度沿革」などの資料から得ることができます。また、さまざまな雑誌や書籍も参照することで、より深い理解が得られるでしょう。特に、福井静夫の著作集や日本造船学会の資料などは、艦艇に関する重要な情報源となります。

「鷺」という水雷艇の歴史は日本海軍の一端を担っており、その活躍は今も多くの人々によって語り継がれています。

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