鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会

鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会

鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会は、毎年2月に鹿児島県本土（薩摩・大隅地方）を舞台に5日間に渡って開催される、地域対抗の駅伝大会です。南日本新聞社などが主催し、「県下一周駅伝」や「鹿県下一周駅伝」の通称で親しまれています。

大会の概要

この大会は1954年、奄美群島の日本復帰とラジオ南日本（現南日本放送）の開局を記念して始まりました。当初は県本土の10地区が参加し、九州一周駅伝の選手強化も目的としていました。その後、熊毛地区（種子島・屋久島）や大島地区（奄美群島）も加わり、現在の形となりました。

第1回大会は5日間で580.7km、47区間に分かれて行われました。1970年から1972年には、沖縄返還を記念して沖縄県チームが特別参加したこともあります。オイルショックの影響で短縮開催された年もありましたが、基本的には鹿児島県本土を一周するコースで実施されています。

南日本新聞が主催していることもあり、大会前から県内のマスコミが大きく取り上げ、県内での知名度は非常に高く、2月の風物詩として定着しています。沿道には多くの地域住民が応援に駆けつけ、選手たちに声援を送ります。そのため、交通安全対策も徹底して行われています。

確認できる限り、本大会は現在行われている全ての駅伝の中で最長距離を誇ります。

参加チームと順位

大会では、各日のタイムを競う日間順位と、5日間の合計タイムで競う総合順位があります。総合順位は、前年度の成績によってA・B・Cの3つのクラスに分かれ、各クラスごとに優勝を争います。前年度上位4チームがAクラス、5位から8位がBクラス、9位から12位がCクラスとなります。まれに、前年度5位以下のチームが総合優勝することもあります。

現在の参加チームは以下の通りです（カッコ内はたすきの色）。

鹿児島地区（赤）
指宿地区（朱）
川辺地区（青）
日置地区（濃緑）
川薩地区（薄青）
出水地区（濃紺）
伊佐地区（桃）
姶良地区（紫）
曽於地区（黄）
肝属地区（薄緑）
熊毛地区（薄茶）
大島地区（白）

近年は姶良地区が上位を占めることが多く、鹿児島地区、川辺地区、日置地区がそれを追う展開が多く見られます。

コースの概要

2021年の第68回大会では、全距離583.8km、53区間に分かれました。コースは以下の通りです。

第1日: 鹿児島 - 加世田（南さつま市）・南薩方面
第2日: 加世田 - 出水・川薩方面
第3日: 野田（出水市） - 日当山（霧島市）・北薩方面
第4日: 国分（霧島市） - 鹿屋・大隅方面
第5日: 根占（南大隅町） - 鹿児島・錦江湾沿岸

大会のコースは一般道を利用しており、特に第4日目の亀割峠（国道10号）は最大の難所として知られています。また、地域によっては「郷土入り」となり、地元チームが上位に食い込むこともあります。

大会をめぐる事故

本大会は広範囲の一般道を使用するため、過去には死亡事故も発生しています。

2005年には、応援帰りの生徒の列に車が突っ込み死傷者を出す事故が発生し、大会が中止となりました。

2018年には、交差点で軽自動車と乗用車が衝突し、乗用車に乗っていた乳幼児が死亡する事故が発生しました。この事故では、交通整理を行っていた警察官に業務上過失致傷の罪で罰金が科せられ、死亡した女児の遺族が県などを訴える事態となりました。

大会の安全対策については、より一層の強化が求められています。

脚注・参考文献

『鹿児島大百科事典』 南日本新聞社、1981年。
『南日本新聞の百二十年』南日本新聞社、2001年。
『南日本新聞』 南日本新聞社、2007年2月9日付朝刊。
* [南日本新聞]]（県下一周駅伝）[https://373news.com/tag/%E7%9C%8C%E4%B8%8B%E4%B8%80%E5%91%A8%E9%A7%85%E4%BC%9D

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