鹿児島県第3区 (中選挙区)

鹿児島県第3区の概要

鹿児島県第3区は、1947年から1994年まで存在した日本の衆議院選挙区でした。設置当初の定数は2でしたが、1986年に公職選挙法が改正され、1議席減少。最終的には1994年に廃止され、その地域は鹿児島県第4区の一部となりました。

地域の地勢

この選挙区は鹿児島県の東部、大隅半島及び南部の種子島や屋久島を含む地域で構成されていました。当初の区割りは、1926年から1942年まで使用されたものを基にしていました。しかし、1947年に中選挙区制が復活すると、アメリカ軍の影響で奄美群島が選挙区に含まれなくなり、1953年以降は独立した選挙区として設定されました。

人口流出の影響で有権者数が減少する中、1986年の改正では再び定数が1つ減少し、結果として日本全国で導入される「2人区」の一つとなりました。

経済活動と政治動向

選挙区内では、畜産業（特に肉牛飼育）や葉タバコの栽培が地元産業の中心を成しており、地域の商工業活動も非常に限定的でした。志布志市などの港湾整備以外の大規模商業施設は少なく、農村地帯で自由民主党が強い支持基盤を築いていたことが影響しています。

自由民主党の代表的な政治家には、山中貞則と二階堂進がいます。山中は17回、二階堂は16回も当選し続け、党内で大きな影響力を持っていました。この二人に加え、橋口隆の存在は自民党の強力な基盤となり、第28回から第31回の選挙までは連続して3議席を獲得しました。

日本社会党と他の政党の挑戦

一方で、日本社会党の有馬輝武は1955年に初めて革新系候補として当選し、その後3回の当選を果たしました。しかし、その後は長い空白期間に入り、1983年の上西和郎の当選まで16年間もの間、議席を失いました。上西は5度目の挑戦で当選を果たしましたが、1986年の選挙では再度自民党の候補に敗れました。

他の野党、特に公明党や民社党は候補者の擁立が限られ、比較的な進展は見られませんでした。日本共産党も公認候補を立てるものの、有権者からの支持は得られず、特に1986年には得票率が0.92%となるなど苦戦を強いられました。

選挙区の定義と選出議員

鹿児島県第3区の選挙区内には、鹿屋市や西之表市、垂水市、肝属郡、曽於郡、熊毛郡が含まれていました。1986年の公職選挙法改正によって定数は2に減少しましたが、初期の区域は更に広かったことが特徴的です。

最後の選挙

鹿児島県第3区の最後の衆議院選挙は1993年7月18日に行われ、当時の有権者数は256,568人、最終投票率は80.12%でした。それをもってこの選挙区は終了し、その地域は新たな選挙区に吸収されていきました。

鹿児島県第3区は、長い歴史の中で地域の政治や経済、そして地元住民の声を反映してきた重要な選挙区でした。

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