鹿島 (練習巡洋艦)

鹿島（かしま）

鹿島は、日本の海軍において重要な役割を果たした練習巡洋艦で、香取型の2番艦です。この艦名は茨城県の鹿島神宮に由来しています。この記事では、鹿島の歴史、戦歴ならびに戦後の活動について詳しく説明します。

概要

日本海軍は士官候補生の教育のために旧式の艦艇を使用していましたが、これらは石炭燃焼機関を装備しており、昭和の初期には経年劣化が著しくなってきました。そのため、新たな練習巡洋艦を2隻建造するための予算が昭和13年度に成立しました。これが後の香取と鹿島です。1940年5月31日に三菱重工業横浜船渠で竣工した鹿島は、昭和16年度には第4艦隊の旗艦として南洋方面の警備を担当し、その後もさまざまな任務をこなしました。

戦歴と活動

戦争初期、鹿島は主にトラックから作戦支援を行い、太平洋戦争の開戦時には第4艦隊の旗艦でした。1943年には呉練習戦隊に編入され、海軍兵学校の生徒の実習用艦としての役割も担いました。鹿島は沖縄や台湾への緊急輸送も数回行い、1945年1月1日には第102戦隊を編制し、船団護衛や対潜掃討に従事しました。そして無傷で終戦を迎えました。

艦型変遷

鹿島は竣工当時、香取型練習巡洋艦としての艦型を持っており、固定バラストを搭載していました。1941年には艦橋の配置や装備に変化があり、機銃が増設され、爆雷投下台が装備されるなど、戦争の進行に伴って艦型は進化しました。1945年には対潜掃討艦として改装され、各種兵装が充実しました。

特別輸送艦への転換

終戦後、鹿島は特別輸送艦となり、兵装を削減した後、復員輸送に従事しました。船体には艦名「KASHIMA」が記載され、多くの復員者を運びました。1948年に内火艇を移管された後、鹿島1号として海上保安庁に登録され、後の海上自衛隊に移管されました。

歴史的意義

鹿島は、戦時や戦後において多くの若者の教育を支え、海軍の重要な任務を担当した艦艇として記録されています。鹿島の歴史は、日本の海軍の変遷とともに、時代の変化を反映しています。最終的には1947年に解体されましたが、その役割は同時代の海軍兵士たちの記憶に深く刻まれています。

結論

鹿島は、戦前から戦後にかけて日本の海軍に多大な貢献をし、その歴史は海軍の発展と変化を示しています。艦名を受け継いだ内火艇もその後の海上自衛隊の歴史の一部として重要な役割を果たしました。

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