鹿島川 (千葉県)

鹿島川の詳細解説

鹿島川は、千葉県の中北部を流れる一級河川であり、利根川水系の最南端に位置しています。印旛沼への最大の流入河川として、地域にとって重要な役割を果たしています。

地理

鹿島川は、千葉市緑区の昭和の森公園を源流とし、北へと流れます。周辺には村田川や南白亀川水系小中川など、同様に源を発する河川が複数存在します。土気駅周辺の住宅地を抜け、北総台地に典型的な谷津田へと入ります。千葉市東部を大網白里市との境界に沿って流れ、若葉区に入ると両岸には畔が形成されます。中田町で平川を合わせると水量は増え、若葉区大井戸町を過ぎると開けた水田地帯が広がります。

佐倉市に入ると、四街道市南部を源流とする並木川と合流し、さらに八街市からの弥富川も合わせます。岩富橋を越えると西へ大きくカーブし、佐倉市と四街道市の境界となります。物井駅前の市街地で小名木川と合流し、複雑な市境を縫うように流れるにつれて川幅は広がり、佐倉市中心部を貫流します。臼井と佐倉の市街地を分断し、寺崎で最大の支流である高崎川と合流、京成本線橋梁で佐倉川も合わせ、印旛沼の干拓地へと注ぎます。佐倉橋付近からは川幅が2倍程度に広がり、飯野竜神橋付近で印旛沼西部調整池へと流れ込みます。

流路の全長は31.8kmで、新橋から下流の18.9kmが一級河川に指定されています。佐倉市の中心河川であり、戦国時代から江戸時代にかけては、高崎川とともに佐倉城の天然の堀として利用されていました。川の名前は、築城主である鹿島幹胤に由来し、鹿島山や鹿島台といった地名も残されています。

かつては夏の風物詩として、毎年8月24日に先祖供養を目的とした「鹿島川流灯会」が開催されていましたが、2000年を最後に実施されていません。

治水

1969年まで実施された「印旛沼開発事業」に伴い、鹿島川は支流の高崎川と共に河川改修が行われ、現在の流路と護岸堤が形成されました。その後、1989年度からは建設省主導で「利根川・印旛沼総合開発事業」が開始され、印旛沼の自然環境保全や治水安全度の向上などを目指しました。同時に千葉県は「ふるさと川づくり事業」として鹿島川・高崎川の調査を行い、「歴史のまち佐倉シンボルゾーン計画」を立案。歴史と伝統の復活、自然保護、道路整備などを含むこの計画の一環として、高崎川の城南橋から鹿島川河口までの約5kmで、橋梁整備や護岸工事、浚渫、築堤などが実施されました。

一方で、印旛沼開発事業以降、流域の都市化が急速に進みました。特に支流の高崎川は佐倉市中心部を横断しており、1991年の台風15号では大規模な氾濫が発生しました。この水害を契機として、鹿島川・高崎川の抜本的な河川改修が求められ、小規模河川改修事業が開始されました。鹿島川は高崎川合流点より下流2,700mを対象に、川幅を2倍程度に広げる計画が立てられ、河口の飯野龍神橋から改修が進められました。その後、都市化の進む高崎川合流点から京成本線橋梁までの区間について、住宅宅地関連公共施設整備促進事業を導入し、改修が進められました。しかし、2000年には「利根川・印旛沼総合開発事業」が中止され、千葉県主導の河川改修は継続されましたが、用地買収の遅れや県の財政状況により、事業完了予定は2019年度まで延期されました。

「ふるさと川づくり事業」は河川改修事業の進捗に合わせて進められ、2002年には「歴史を映す印旛沼・文化を育てる鹿島川」をテーマとした基本計画が策定されました。この計画では、堤防や河川敷を利用した散策路やジョギングロードの整備、印旛沼河口から京成本線橋梁までの右岸を桜並木とするなどの目標が掲げられています。

支流

鹿島川の主な一次支流は以下の通りです。

平川
富田谷津排水路
並木川
弥富川
東部排水路（馬渡沢）
小名木川
高崎川
佐倉川

主な橋梁

鹿島川には多数の橋梁が架かっています。以下は上流から主な橋梁のリストです。

大和田橋 - 千葉県道131号土気停車場千葉中線
○○橋
○○橋
下大和田橋
○○橋
千葉東金道路
○○橋
殿川橋 - 千葉県道129号誉田停車場中野線
○○橋
○○橋
○○橋
○○橋 - 国道126号
○○橋
○○橋
○○橋
○○橋
富古橋
富田橋 - 御成街道
五反田橋
泉橋
上泉橋
学校橋
新橋 - 千葉県道53号千葉川上八街線
大井戸橋
下泉橋
谷当橋
尾牛橋
轟橋
坂戸橋 - 千葉県道22号千葉八街横芝線
中島橋
馬渡橋
岩富橋 - 国道51号
旭橋
渡戸橋
大篠塚橋
東関東自動車道
松山橋
文巻橋
物井橋
物井川橋梁 - 総武本線
亀崎橋
羽鳥橋 - 千葉県道136号佐倉停車場千代田線
鹿島川大橋
飯重橋
鹿島橋 - 国道296号
京成本線橋梁
佐倉橋
飯野竜神橋 - 千葉県道406号八千代印旛栄自転車道線（印旛沼自転車道）

まとめ

鹿島川は、千葉県中北部における重要な河川であり、その歴史的背景や治水への取り組みは、地域社会の発展と密接に結びついています。また、数々の橋梁が架かる景観は、地域住民に親しまれています。

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