鹿島神社 (一関市真柴)

鹿島神社の概要

鹿島神社は、岩手県一関市真柴に位置する神社です。この神社は、地域の人々から篤い信仰を集めており、その歴史は古く、創建から長い年月を経ています。

歴史

鹿島神社の創建は、807年（大同2年）にまで遡ると伝えられています。「宝暦風土記」によると、当時、蝦夷征討のためにこの地を訪れた坂上田村麻呂が、大武丸を討伐した後に、この地に神社を勧請したとされています。

祭神

鹿島神社の祭神は、武甕槌命です。武甕槌命は、武道の神様として知られており、古くから武士や武道家からの信仰を集めてきました。また、国家鎮護の神様としても崇敬されています。

宝物

鹿島神社には、かつて多くの宝物が奉納されていました。その中には、坂上田村麻呂が使用したとされる筆や重藤の弓、六升入茶釜、剣一振などがありました。また、特に注目されるのは「鬼牙」です。

この鬼牙は、鬼の死骸があったとされる西ノ沢付近で発見されたと伝えられており、その伝説から、鬼死骸という地名も生まれたと言われています。かつては、鬼の牙であると信じられていましたが、実際はサメの歯の化石であることが判明しています。

真滝村誌によると、これらの宝物は中世の鬼死骸城主であった小岩伊賀守が所有していましたが、1591年（天正19年）に城主が没落した後、子孫が十余年間、村の三郎右衛門方に潜伏。その後、油田村に移住した際に、宝物を同家に授けました。しかし、同家も衰退し、最終的には現所有者の先祖が引き継ぎ、明治時代まで保存していました。しかし、現在では鬼牙のみが現存しており、他の宝物は朽ちて失われたとされています。鬼牙は現在、真柴蒲沢の個人が家宝として保存しています。

境内

鹿島神社の境内には、拝殿へと続く階段の途中に、寛保元年（1741年）に建立された石碑「愛宕大権現」があります。この石碑は、当時の信仰の様子を今に伝える貴重なものです。

交通アクセス

鹿島神社へのアクセスは、JR東日本の一ノ関駅から車で約5分です。一ノ関駅からは、案内表示に従って進むと、比較的容易に到着することができます。

まとめ

鹿島神社は、その長い歴史と数々の伝承を持つ、地域にとって重要な神社です。現在では、鬼牙のみが残されていますが、その歴史的、文化的な価値は今もなお色褪せることはありません。一関市を訪れる際には、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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