鹿島警察署

佐賀県警察に所属する鹿島警察署（かしまけいさつしょ）は、佐賀県の南西部に位置する杵藤（きとう）地区を管轄する警察署です。その管轄区域は、鹿島市、温泉地として知られる嬉野市、そして有明海に面した藤津郡太良町の二つの市と一つの町に及びます。現在の庁舎は鹿島市大字中村に所在しています。

沿革

鹿島警察署の歴史は古く、明治時代初期に遡ります。1878年（明治11年）1月18日、佐賀警察出張所の管下にあった高津原屯所と塩田分屯所が、佐賀警察署の管下に移管され、「高津原分署」及び「塩田分署」として再出発しました。同年10月には塩田分署が廃止され、代わりに「嬉野分署」が設置されるなど、管轄体制は初期から変動しています。1884年（明治17年）には塩田分署と糸岐分署が設けられ、続いて浜分署も設置されるなど、藤津郡内各地に分署網が築かれました。

1886年（明治19年）3月25日、これらの分署を管轄する独立した組織として、「鹿島警察署」が正式に発足します。当初は嬉野、塩田、糸岐、浜の四つの分署を所管しました。同年5月には高津原に最初の庁舎が竣工。その後、1888年（明治21年）3月には塩田分署と浜分署が廃止されるなど、組織の改編が続きます。特に嬉野地区においては、1896年（明治29年）4月に嬉野分署が一時的に「嬉野警察署」として独立しますが、翌1897年（明治30年）1月には再び統合されて「嬉野分署」に戻されました。しかし、1926年（大正15年）7月1日には再度分離し、「嬉野警察署」として独立を果たします。また、1924年（大正13年）12月には糸岐分署が部長派出所に改められました。

庁舎については、1931年（昭和6年）6月に高津原に木造スレート瓦葺き2階建ての新庁舎が完成し移転が行われています。

第二次世界大戦後の警察制度改革では、1948年（昭和23年）3月7日に国家地方警察と自治体警察に分離。藤津郡内では、鹿島町、浜町、塩田町にそれぞれ自治体警察が置かれ、国家地方警察としては藤津地区警察署が設置されました。しかし、1951年（昭和26年）10月1日に自治体警察が廃止されると、国家地方警察の「鹿島地区警察署」に改組されます。この際、塩田に警部派出所、浜町と糸岐には警部補派出所が設置されました。1954年（昭和29年）7月1日、現在の警察法が施行されるに伴い、鹿島地区警察署は「佐賀県警察 鹿島警察署」となり、県警察の一部として再出発します。組織再編の中で、塩田町と糸岐には部長派出所、浜町には巡査派出所が置かれ、その後1959年（昭和34年）8月17日には塩田と浜の派出所が駐在所に変更されました。1968年（昭和43年）5月2日には、鹿島市大字中村の現在地に近い場所に鉄筋コンクリート造2階建ての庁舎が新築され、移転が行われました。

嬉野警察署との統合

独立した歴史を持つ旧嬉野警察署は、1878年（明治11年）に塩田分署を移転する形で「嬉野分署」として発足しました。庁舎の取得・新築を経て、1896年（明治29年）と1926年（大正15年）の二度にわたり「嬉野警察署」として独立しますが、その間には鹿島警察署に統合されていた時期もあります。戦後、嬉野町警察署（自治体警察）や嬉野地区警察署（国家地方警察）への改組を経て、1954年（昭和29年）7月1日からは佐賀県警察の「嬉野警察署」として運用されていました。

警察署の再編計画に伴い、2006年（平成18年）4月1日、嬉野警察署は鹿島警察署に統合されました。これにより、旧嬉野町の区域が鹿島警察署の管轄に加わり、管轄面積が大幅に拡大しました。旧嬉野警察署の施設は、現在、嬉野幹部派出所として機能しています。

2016年（平成27年）4月には、現在の新しい庁舎への移転が完了し、地域住民の安全・安心を守るための活動拠点として、その役割を果たしています。

現在の体制

鹿島警察署は、本署のほか、地域を細やかにカバーするために以下の幹部派出所、交番、駐在所を設置しています。

幹部派出所
嬉野幹部派出所（旧嬉野警察署所在地）

交番
鹿島中央交番
太良交番

駐在所
今寺警察官駐在所
不動山警察官駐在所
吉田警察官駐在所
久間警察官駐在所
塩田警察官駐在所
大草野警察官駐在所
五町田警察官駐在所
辻警察官駐在所
古枝警察官駐在所
浜警察官駐在所
七浦警察官駐在所
大浦警察官駐在所

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