鹿毛馬神籠石

鹿毛馬神籠石について

鹿毛馬神籠石（かけのうまこうごいし、かけのうまこうごういし、かげのうまこうごいし）は、福岡県飯塚市鹿毛馬に位置する、鹿毛馬川沿いの馬蹄型丘陵地に築かれた古代山城です。この神籠石は、1945年（昭和20年）2月22日に国の史跡として指定され、2002年（平成14年）3月19日には追加指定も受けています。

築造年代については、複数の説がありますが、1983年12月から1984年2月にかけて行われた水門跡の調査で、7世紀前半の須恵器甕の破片が出土したことから、7世紀頃に築かれたという説が有力視されています。

特徴

鹿毛馬神籠石の列石は、40から80センチメートルの大きさで、実戦用の石垣としては比較的低い部類に入ります。このため、容易に乗り越えることが可能です。また、中近世の城郭とは異なり、郊外の農村地帯に位置している点も特徴です。

水門跡と呼ばれる遺構が存在しますが、一般的な軍用の水門とは異なり、周囲に堀を巡らせたり、大量の水を流すための工夫が施されていません。この点も、鹿毛馬神籠石の特異な点として挙げられます。

史料と研究

鹿毛馬神籠石に関する調査研究は、頴田町教育委員会によって行われました。その成果は、『鹿毛馬神籠石 : 福岡県嘉穂郡頴田町所在鹿毛馬神籠石の調査 頴田町文化財調査報告書 第1集』（1984年）にまとめられています。この報告書は、九州国立博物館にも所蔵されており、研究者にとって貴重な資料となっています。

関連情報

鹿毛馬神籠石は、九州・沖縄地方に点在する史跡の一つとして、その歴史的価値が認められています。

まとめ

鹿毛馬神籠石は、古代日本の山城の様相を知る上で重要な遺跡です。その築造時期や構造、そして立地条件など、未解明な点も多く残されていますが、今後の調査研究によって、古代史の新たな一面が解明されることが期待されます。

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