鹿野城

鹿野城

鹿野城は、鳥取県鳥取市鹿野町にあった日本の城（平山城跡）で、現在は鳥取市指定史跡となっています。

歴史

鹿野城の創建年代は不明ですが、元々は因幡の国人領主・志加奴氏（鹿野氏）が居住していたと伝えられています。

戦国時代には、尼子氏と毛利氏による因幡の支配を巡る争奪戦の舞台となりました。

1544年：尼子晴久の攻撃を受け、城主の鹿野入道以下300余名が討ち死にしたと伝えられています。
1563年：武田高信の攻撃を受けた山名豊数が、布勢天神山城から鹿野城に退却しました。

1580年、羽柴秀吉による第一次鳥取城攻撃の際に織田方の城となり、尼子家旧臣の亀井茲矩が守将となりました。亀井氏は、本能寺の変後に秀吉に仕え、関ヶ原の戦いでは東軍に属して加増され、鹿野藩3万8,000石の領主となりました。

近世大名となった亀井氏は、鹿野城を近世城郭へと改築しました。茲矩は朱印船貿易を行っていたため、天守以下の櫓や門に仏教に由来する名称を付け、自らの居城を王舎城、城下町を鹿野苑、城の背後の山を鷲峰山、城下を流れる川を抜堤川と名付けました。また、城の改築にあたり、亀井家の家紋瓦を使用しました。

1617年、亀井政矩が津和野藩へ転封となると、池田光政の鳥取入府に伴い、家老・日置忠俊が城主となりました。1628年には城下町の火災により城の一部が焼失。1644年に城の破却が行われました。

1868年、鳥取藩の支藩である東館新田藩が鹿奴陣屋に藩庁を置き、鹿奴藩となりましたが、翌年には廃藩となり鳥取藩に吸収されました。

構造

鹿野城は、標高148mの山頂に本丸を設け、二の丸・三の丸を階段状に配置した平山城です。鳥取県内の近世城郭としては唯一、西の丸という郭を持っています。

本丸：小規模な天守台が残っており、2層程度の天守が存在したと推測されています。
二の丸：朝鮮櫓・オランダ櫓と呼ばれる櫓があったと伝えられています。

近年行われた発掘調査では、因幡池田氏の定紋である揚羽蝶紋や菊紋の軒丸瓦が出土しています。また、海鼠壁の城壁であった可能性も指摘されています。

亀井氏治世下においては家紋の略紋である丸に一つ引紋の灰色瓦が用いられており、これは亀井氏の転封先である津和野に遺物として伝わります。

文久元年に他藩士が描いた『因州記』には、鹿野城の絵姿が残されています。

その他

鹿野城は、戦国時代には毛利氏の因幡経営の本拠地として機能していました。現在見られる近世城郭としての鹿野城は小規模ですが、周辺には毛利氏時代のものと思われる遺構も残っています。

アクセス

山陰本線 浜村駅からバスで15分、「鹿野総合支所前」下車、徒歩8分

周辺情報

鹿野（城下町）
鹿野往来（旧城下町を貫く旧街道）
鹿野温泉

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