黄炳瑞

黄炳誓（ファン・ビョンソ）についての詳細

黄炳誓（ファン・ビョンソ、1949年 - ）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）において極めて影響力のある政治家かつ軍人であり、同国の国防省の総顧問を務めている人物です。彼は、朝鮮労働党内で重要なポジションを保持し、金正恩体制の中でその権限を行使してきました。2017年12月には朝鮮人民軍の軍事称号において上佐とされ、2022年には次帥に復帰しました。

経歴の概要

黄は2005年9月に朝鮮労働党中央委員会の副部長として公式に登場し、以降、急速に出世を遂げました。2010年9月には中将、2011年3月には上将に昇進し、2013年12月の張成沢の処刑にも深く関与したとされます。この時点ですでに、党組織指導部の第一副部長としての地位を占めており、権力の最上位にいたと考えられています。

2014年には、黄が党の組織指導部第一副部長として公式に確認されるとともに、大将に昇進し、同年の末には次帥に昇格しました。これにより、彼は金正恩に次ぐ軍のナンバー2の地位を確立しました。彼のこの地位が固まったことにより、朝鮮人民軍の様々な活動においても彼の存在感は増していきました。

黄は、金正恩の政権下では多くの視察に同行し、彼の信任を受けた軍事的な信頼できるパートナーとされていました。特に2014年の韓国訪問時には、南北高官協議を開催することに合意し、外交面での重要な役割を果たしました。この時の彼の訪問は、北朝鮮の最高幹部による珍しいものであり、多くのメディアに注目される結果となりました。

降格とその背景

しかし、2017年には彼の権限が急速に低下し始めました。10月には朝鮮労働党中央委員会の総会で、金正恩及び崔龍海に次ぐ位置からの降格が確認され、続いて韓国の情報機関によると、彼は多くの権限を失ったとされています。また、収賄疑惑もささやかれ、結果として彼は次帥から上佐へと6階級降格されることとなりました。この降格には、金正恩の実妹である金与正の意向も影響しているとする報道もあります。

2018年にはその職を解任され、連絡先としての役割をも失っていくことになりますが、その後も彼は様々な場面で報告されることがありました。特に国防省総顧問としての職に再登用されるなど、その存在感は決して消えてはいないと言えます。

私生活と家族

黄炳誓は、早稲田大学の教授によると、金正恩の異母姉である金雪松を妻に持ち、金正恩の義理の兄にあたります。また、彼の家族背景として、韓国のメディアで報道されている情報によると、非転向長期囚として知られる黄滭九（ファン・ピルグ）の息子であり、本貫は平海黄氏に属しています。

彼の生涯にわたる政治的な動きや軍事的な役割は、北朝鮮の歴史において重要な役割を果たしており、彼に関する研究は今後も続けられることでしょう。北朝鮮内での政治的や経済的な動向を知る上で、彼の存在は見逃せません。

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