Laputa

Laputa：名古屋から東京へ、そして伝説へ

1992年、名古屋で結成されたヴィジュアル系ロックバンド、Laputa。その名は、ジョナサン・スウィフトの小説『ガリヴァー旅行記』に登場する空想の島に由来する。黒夢と共に名古屋のビジュアル系シーンを築き上げたパイオニアとして知られる彼らだが、その活動は多岐に渡り、音楽性やメンバーの変遷、そして後世への影響も計り知れない。本稿では、Laputaの歴史を詳細に紐解き、その魅力に迫る。

結成と初期活動：名古屋MUSIC FARMから始まる物語

メンバーは、Vo. aki、Gu. Kouichi、Ba. Junji、Dr. Tomoiを中心に構成される。akiとTomoiは、高校時代からコンサートスタッフとして活動しており、そこで出会ったHidenoやKusubaらと共に、前身バンドAi SICK FACEを結成。しかし、Silver-Roseのライブを目撃したTomoiの衝撃から、Ai SICK FACEは解散。その経験が、Laputa結成へと繋がっていく。

1993年7月、Laputaが誕生。同年8月29日には、名古屋MUSIC FARMで初ライブを敢行。Silver-RoseのKAIKIが主催したこのイベントには、後にLaputaに加入するJunjiも参加していた。その後も精力的に活動し、デモテープ『Saddistの夢』と『奈落の底』をリリース。メンバーの加入と脱退を繰り返し、1994年には1stマキシシングル『私が消える』を発表し、瞬く間に注目を集めた。

東京進出とメジャーデビュー：進化を遂げるサウンド

1995年9月、Laputaは活動拠点を名古屋から東京に移し、シェイクハンドと契約。オフィシャルファンクラブ「VOYAGE」を設立する。翌年にはインディーズミニアルバム『眩めく廃人』をリリースし、オリコンインディーズチャートで2位を獲得。ライブビデオ『箱庭』も1位を記録するなど、着実に人気を拡大していく。そして、1996年8月10日、下北沢CLUB QUEでのファンクラブ限定ライブで、メジャーデビューを発表。

1996年9月、待望のメジャーデビューシングル『硝子の肖像』を東芝EMIよりリリース。その後もアルバム『蜉〜かげろう〜蝣』を発表し、精力的なライブ活動で人気を不動のものにしていく。新宿アルタ前広場で行われたゲリラライブでは約5000人を動員するなど、その人気は社会現象とまでなった。

音楽性と影響：多様な要素が織りなす独特の世界観

Laputaの音楽性は、ハードロック、ヘヴィメタルをベースに、ダークでメロディアスな世界観を表現。初期は、DEAD ENDやGASTUNKといったバンドからの影響が色濃く、退廃的でダークな歌詞が特徴的だった。しかし、メジャーデビュー後は、より日常的な言葉を用いながらも、抽象的な内面世界を表現するようになり、音楽性も進化を遂げていく。

メンバーそれぞれが、モトリー・クルー、VOW WOW、デュラン・デュランなど、多様な音楽的バックグラウンドを持っていたことも、Laputaの音楽性の豊かさに繋がった。その独特なサウンドは、多くの後進のアーティストたちに影響を与え、Sadie、DIAURA、D、vistlip、lynch.など、多くのバンドがLaputaへのリスペクトを公言している。

活動休止とメンバーのその後、そして復活

2004年9月5日、渋谷公会堂でのライブをもって、11年以上に渡るLaputaの活動は幕を閉じた。しかし、メンバーはそれぞれソロ活動や新たなバンドで活躍を続け、その才能を遺憾なく発揮してきた。2023年8月29日、ボーカルのakiが急逝。その悲報は多くのファンに衝撃を与えた。

そして2024年9月28日、DIAMOND HALLにて一夜限りの復活公演「ALL BURST」を開催。多くのファンにとって忘れられない夜となった。

まとめ：時代を超えて愛されるLaputaの音楽

Laputaは、その独特の音楽性と、メンバーの個性が生み出した強烈な個性で、日本のヴィジュアル系シーンに大きな足跡を残した。初期のダークでアグレッシブなサウンドから、後期におけるエレクトロニックな要素を取り入れたサウンドへの変遷も、彼らの音楽的探求心を示している。彼らの音楽は、時代を超えて多くのファンを魅了し続け、これからも語り継がれるだろう。

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