黒姫 (ゲーム)

『黒姫』

『黒姫』（くろひめ）は、2000年12月15日にSPDより発売されたアダルトゲームです。基本はアドベンチャーゲームですが、サスペンスホラーの要素も含まれています。2002年にはディスカバリーから『黒姫 -桎梏の館-』（くろひめ しっこくのやかた）としてアダルトアニメ化もされました。

作品概要

本作は、山奥の洋館に集められた男女7人が、一人ずつ消えていく様子を描いた作品です。ソリッド・シチュエーション・スリラーとしても評価されることがあります。発売元のSPDは本作を最後に解散したため、現在では入手が困難となっています。

ゲームシステム

主人公の目的は、洋館から48時間以内に脱出することです。洋館内を移動する中で選択肢が現れ、時間経過と共に物語が進みます。48時間経過で自動的にエンディングとなり、プレイヤーの行動によって結末が変化するマルチエンディング方式が採用されています。一度クリアすると、シナリオとイベントの分岐マップが表示され、未見のグラフィックやエンディングを把握できます。イベント発生には時間経過が関わるため、全てをコンプリートするには手間がかかります。

ストーリー

主人公は、恋人の聖夜や友人たちと共に7人でキャンプに出かけましたが、道に迷ってしまいます。そこで見つけた洋館にたどり着きますが、人の気配はあるものの誰もいません。不安を感じながらも夜を明かすことにした7人ですが、洋館に足を踏み入れた途端、地震が発生し、閉じ込められてしまいます。館の中で次々と起こる怪奇現象は、館の主である摩耶によって仕組まれたものでした。

登場人物

主人公 / 朗（あきら）
声 - 五反田正人（アニメ版）
プレイヤーキャラクター。アニメ版では「朗」という名前が設定されています。

若宮 聖夜（わかみや せいや）
声 - 花見川楓（アニメ版）
本作のヒロイン。主人公の恋人で、真面目な優等生ですが、嫉妬深い一面も持ち合わせています。主人公に対して特別な思いを抱いています。休日も制服で行動することが多いです。

雪村 さやか（ゆきむら さやか）
声 - 野神奈々（アニメ版）
ピンクのリボンで2つに結んだ髪が特徴的な少女。子供っぽく、主人公に子供扱いされています。料理、特に菓子作りを得意としており、異性からの人気が高いです。聖夜の言うことには比較的従順です。

進藤 冴紀（しんどう さえき）
声 - 岬ゆうか（アニメ版）
わがままで気の強い少女。運動神経が良く、行動力と好奇心に溢れています。男性が苦手で、レズビアン的な傾向があります。

近見 由香理（ちかみ ゆかり）
声 - さくら（アニメ版）
家柄も成績も良いですが、気が弱い少女です。露出度の低い服装を好みます。冴紀に連れ回されることが多いです。冴紀のレズビアン相手です。

大神 直哉（おおかみ なおや）
声 - 流石力男（アニメ版）
主人公の悪友です。冴紀をからかいますが、中途半端な性格が災いし、彼女からは良く思われていません。

梶原 淳（かじわら じゅん）
声 - 東城直樹（アニメ版）
気弱な少年で、洋館で起こる怪奇現象によって精神的に追い詰められていきます。

摩耶（まや）
声 - 鷹月さくら（アニメ版）
洋館の主。館に仕掛けられた罠や謎の男たちを使って、冴紀や由香理を陵辱し、7人を精神的に追い詰めようとします。その正体は、聖夜の中に潜むもう一つの人格です。

スタッフ

原画：AM-DVL
シナリオ：内田竜宮丞
音楽：梶原正裕

アダルトアニメ

2002年と2003年にディスカバリーよりDVDとVHSで発売されました。前後編構成で、各話約30分です。2009年には「VFT」マークのある映像に対応した専用モジュールでバーチャルセックスを体験できる「バーチャルギア」シリーズとして、前後編を1枚のDVDに収録した完全版も発売されました。北米では、前編と後編を1枚のDVDに収録した無修正版が『BLACK WIDOW』（ブラックウィドウ）というタイトルで発売されています。

アニメ版は、前編と後編で制作会社とスタッフが異なり、作画に差異が見られます。

スタッフ

（前編）、（後編）と表記のあるものは、それぞれ前編、後編のみの担当。

商品情報

※以下の映像ソフトのデータは日本国内流通版のものです。

『黒姫 -桎梏の館-』前編：2002年5月31日発売 DISE-0033（DVD）、GCV-955（VHS）
『黒姫 -桎梏の館-』後編：2003年3月28日発売 DISE-0051（DVD）、GCV-973（VHS）
『バーチャルアニメーション 黒姫 -桎梏の館-』完全版：2009年2月20日発売 CAOA-003（DVD）

批評

ライターの穴リスト猫は、本作について「シチュエーションを十分に生かし切れていなかったため、謎解きの要素が薄かった」と評しました。また、アダルトアニメ版については、「シチュエーションが生かされており、ストーリー性が優先されている。ただ、トリックがご都合主義とはいかなくても安っぽいもので、謎解きを期待すると肩透かしを食らう。」と評し、「あまり細かいことを気にせず、エロゲー・エロアニメの古典を楽しむつもりで見てほしい」と述べています。

脚注

注釈

出典

リンク先は18歳未満閲覧禁止。

外部リンク

黒姫 -桎梏の館- - DISCOVERY

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