黒岩英臣

黒岩英臣（くろいわ ひでおみ、1942年 - ）は、東京都出身の日本の指揮者です。

生い立ちと音楽への道

1942年に東京で生まれた黒岩は、1960年に桐朋学園大学の指揮科に入学し、齋藤秀雄に師事しました。大学在学中から、オーケストラの指揮者としてステージやラジオ、テレビなどで活躍する傍ら、ヴィオラ奏者やピアニストとしても才能を発揮していました。1964年には、桐朋学園大学弦楽オーケストラのアメリカ公演に指揮者として同行し、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの主要都市で指揮を担当しました。

1965年に桐朋学園大学を卒業後、NHKテレビの「今年のホープ」に出演するなど、将来を嘱望されていました。しかし、同年、黒岩は修道士となり、1975年まで修道生活を送ります。この期間に、神学、哲学、ラテン語、グレゴリオ聖歌、ポリフォニーなどを学び、典礼音楽の指揮や作曲にも携わりました。敬虔なキリスト教徒であることから、宗教音楽に深い造詣を持ち、オラトリオ、レクイエム、ミサ曲などの演奏において、その情熱的な音楽作りが高く評価されています。

プロの指揮者として

1976年、黒岩は再び音楽の世界に身を投じ、1977年1月には東京都交響楽団のファミリーコンサートで指揮を務め、「久方ぶりに現れた資質をしっかりと感じさせる新人」と絶賛され、大きな注目を集めました。1978年の夏には、バークシャー・ミュージック・センターでクーセヴィツキ記念フェローシップ・コンダクターとして研鑽を積みました。

1981年9月から1988年まで九州交響楽団の常任指揮者、1985年8月から1989年まで神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者、1988年4月から1994年3月まで関西フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を歴任しました。2000年4月からは山形交響楽団の首席客演指揮者、2001年10月からは常任指揮者を務め、2004年4月には同楽団の名誉指揮者に就任しました。また、桐朋学園大学では准教授も務めています。

国内外での活動

黒岩は、関西フィルハーモニー管弦楽団、札幌交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、九州交響楽団などの定期演奏会をはじめ、全国の主要オーケストラと数多く共演しています。

音楽への情熱

黒岩の音楽は、その深い宗教観と音楽への情熱が融合した独特のスタイルを持っています。特に、宗教音楽においては、その深い知識と理解に基づいた演奏が、聴衆を魅了しています。彼は、常に音楽の本質を追求し、聴衆に感動を与えることを目指しています。

外部リンク

黒岩英臣プロフィール（KAJIMOTO Webサイト）

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