名古屋フィルハーモニー交響楽団

名古屋フィルハーモニー交響楽団

名古屋フィルハーモニー交響楽団（通称：名フィル）は、1966年に創立された名古屋市を本拠地とするプロのオーケストラです。東海地方を代表するオーケストラとして、地域音楽界をリードし続けています。

特徴

名フィルは、その革新的な定期演奏会のプログラムと充実した演奏内容で、日本中に話題を発信しています。地元住民からは「名フィル」の愛称で親しまれ、日本のプロオーケストラとして確固たる地位を確立しています。定期演奏会はシーズンごとにテーマを設け、意欲的な内容で500回を超え、高い評価を得ています。

歴史

1966年7月10日に楽団が結成され、翌年10月には第1回定期演奏会が開催されました。1973年4月には名古屋市の出捐により財団法人となり、組織としての基盤を確立しました。初代音楽総監督の岩城宏之氏をはじめ、福村芳一氏、森正氏、荒谷俊治氏、外山雄三氏、モーシェ・アツモン氏、飯守泰次郎氏、小林研一郎氏、沼尻竜典氏、ティエリー・フィッシャー氏といった著名な指揮者が歴任し、演奏の質の向上とレパートリーの拡充に尽力してきました。

2013年から2016年まではマーティン・ブラビンズ氏が常任指揮者を務め、定期演奏会「ガイア」シリーズや市民会館名曲シリーズ「ブラームス・ツィクルス」を監修し、楽団との信頼関係を深めました。2016年から2023年まで小泉和裕氏が音楽監督を務めました。

現在の指揮者陣には、音楽監督の川瀬賢太郎氏、名誉音楽監督の小泉和裕氏、桂冠指揮者の小林研一郎氏、名誉指揮者のモーシェ・アツモン氏、名誉客演指揮者のティエリー・フィッシャー氏らが名を連ねています。2002年から2017年まではウィーン・フィルのコンサートマスターであるライナー・ホーネック氏が首席客演コンサートマスターを務め、楽団のレベルアップに貢献しました。

ウィーン・フィルとの交流も深く、2000年からはウィーン・フィルのメンバーを中心とした特別編成オーケストラ「トヨタ・マスター・プレイヤーズ，ウィーン」との合同公演を行っています。

海外公演

1988年には初の海外公演としてヨーロッパ2カ国ツアーを、2000年にはアジア8カ国ツアー、2004年には「プラハの春」国際音楽祭に正式招待されるなど、数多くの海外公演を成功させています。

レコーディングと受賞

数多くのCD録音も行っており、2010年にはティエリー・フィッシャー指揮「東京公演」のライブレコーディングCDをリリースしました。これまでに東海テレビ文化賞、愛知県芸術文化選奨文化賞、文化庁芸術作品賞レコード部門などを受賞しています。

多様な演奏会

定期演奏会の他、親しみやすい「市民会館名曲シリーズ」、障がいのある方を対象とした「福祉コンサート」、子供向けの「こども名曲コンサート」など、年間約110回の演奏会を開催し、地域社会への貢献を続けています。

指揮者と演奏者

歴代の指揮者には、岩城宏之氏、福村芳一氏、森正氏、荒谷俊治氏、外山雄三氏、モーシェ・アツモン氏、飯守泰次郎氏、武藤英明氏、小林研一郎氏、沼尻竜典氏、ティエリー・フィッシャー氏、マーティン・ブラビンズ氏、ボブ佐久間氏、小泉和裕氏が名を連ねます。現在の音楽監督は川瀬賢太郎氏です。コンサートマスターは後藤龍伸氏、森岡聡氏、小川響子氏が務めています。

主な客演指揮者と共演者

これまでに、朝比奈隆氏、小澤征爾氏、ヘルベルト・ケーゲル氏、ヴァレリー・ゲルギエフ氏など、世界的な指揮者と共演しています。また、シュテファン・ヴラダー氏、エフゲニー・キーシン氏、マキシム・ヴェンゲーロフ氏、アンネ＝ゾフィー・ムター氏など、著名なソリストとも共演を重ねています。

関連事項

名古屋市音楽プラザが主な練習会場となっており、楽団事務所も置かれています。また、エフエム愛知では長年名フィル提供の番組を放送していました。セディナ（SMBCファイナンスサービス）とは提携し、クレジットカード「名フィルカード」を発行しています。

名フィルは、その卓越した演奏と地域社会への貢献により、今後もさらなる発展が期待されるオーケストラです。

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