黒川原駅

黒川原駅の歴史と構造

黒川原駅（くろかわばらえき）は、かつて愛知県渥美郡田原町に存在した名古屋鉄道渥美線の駅です。この駅は渥美線の終点として設置されました。そして、かつてはさらに伊良湖岬方面への延長計画が存在し、鉄道省による路盤工事が進められたものの、太平洋戦争によって中断され、未成線として終わりました。

駅の歴史

黒川原駅の開業は1926年のことで、当時は渥美電鉄の駅として開設されました。具体的には、三河田原から当駅までの区間が4月10日に開業しました。その後、1937年に豊橋市と田原町、福江町の鉄道起業が廃止されました。

1940年、名古屋鉄道との合併により、黒川原駅は同社の渥美線の一部として機能しました。また、1943年には鉄道による糞尿輸送のための貯溜槽も建設されました。しかし、1944年には他の線区へのレール転用のため、三河田原からの区間が営業を休止することになります。この休止は実に5年間続きました。

さらに、1954年11月20日には、渥美線の三河田原から当駅間が廃線となり、その結果として黒川原駅も正式に廃止されました。

駅構造

当駅は、片開きポイント式の2面2線千鳥式ホームを持ち、本線と上り1番線で構成されていました。また、本線から分岐した貨物ホームも2面1線あり、全体で3面3線の地上駅でした。旅客ホームには車止めがなく、駅の西側には「陸橋」と呼ばれる築堤があり、その先には三河福江方面に向かう線路が敷設されていました。

本線側のコの字型の貨物ホームは、駅前通りと段差がなく、ホームには駅舎や便所、貨物上屋が備えられていました。また、貨物ホームの先には糞尿貯溜槽が存在しました。上り1番線側の片面ホームは構内踏切で結ばれており、その先には待合室も設けられていました。

駅跡の現状

現在の黒川原駅跡地は、田原市大久保町に位置しています。国道259号（田原街道）と愛知県道28号田原高松線の交差点近くにあり、具体的には大久保南交差点の西約100メートルのあたりに推測されます。しかし、道路整備が進んでいるため、駅の痕跡は現在はほとんど見られません。

隣接駅

黒川原駅の隣には、名古屋鉄道の渥美線があり、隣駅は加治駅でした。このように黒川原駅は、名古屋鉄道渥美線の重要な終点でありながら、歴史の流れに影響を受けて廃止される運命をたどりました。

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この内容は、あくまで過去の鉄道の一部としての記録であり、地域の歴史を理解する上で重要な遺物です。

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