黒川景氏

黒川景氏（くろかわ かげうじ）について

黒川景氏は、陸奥黒川氏の第6代当主であり、陸奥国黒川郡に位置する鶴楯城の城主でした。彼は1542年に死去するまで、数々の戦や乱の中で重要な役割を果たしました。彼の家系は、伊達氏の庶流である飯坂清宗に端を発し、彼自身もまた、この血筋を引く武将としての宿命を背負っていました。

生涯のはじまり

景氏は文明16年（1484年）に生まれました。彼の養嗣子としての地位は、急速に勢力を拡大していた伊達稙宗によって決定されました。具体的な入嗣の時期は不明ですが、永正16年（1519年）には上洛し、足利義稙から偏諱を賜っています。このことから、少なくともこの年までには養嗣子として受け入れられていたと考えられます。

当主としての活躍

享禄2年（1529年）、彼の前任者である黒川氏矩が死去すると、景氏は新たに当主の座に就きました。彼は新たに鶴楯城を築き、従来の御所館から移りました。これは、黒川氏が今後の展開において、自らの勢力を確実にしようとする意志の現れだったと言えるでしょう。

彼の統治下で、黒川氏は重要な政治的役割を果たすことになります。天文5年（1536年）、大崎氏の内乱が勃発した際には、稙宗の命を受けて反乱軍の拠点である古川城への攻撃に参加しました。内乱が鎮圧された後、彼は大崎家の名跡を継ぐ義宣を入嗣させる際に、家中の鎮撫を任されました。

戦の中での立場

景氏は、天文11年（1542年）に発生した天文の乱にも関与し、稙宗方として名取郡や柴田郡に出兵しましたが、乱は晴宗方の勝利に終わりました。興味深いのは、彼の家臣の中に黒川藤八郎という者が晴宗方に与していたことですが、景氏自身は当主の地位を保続することができました。これは彼の政治的手腕や支持基盤の強さを示しています。

最後の時期

天文21年（1552年）4月15日、景氏は69歳で亡くなりました。彼の死後、嫡男である稙国が家督を継承しました。黒川氏の歴史において、景氏の存在は特筆すべきものであり、彼の功績は後世に語り継がれるべきものです。

参考文献

• - 『大和町史』上巻（宮城県黒川郡大和町、1975年）

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