黒添池

黒添池（くろんどいけ）

黒添池は、奈良県生駒市高山町に位置する風光明媚な溜池です。「くろんど池」とも表記されます。

概要

池の面積は約16,000平方メートル、貯水量は約120,000立方メートルを誇ります。この豊富な水量は、周辺の70ヘクタールもの農地を潤しています。

黒添池周辺は、自然を満喫できるレジャースポットとして親しまれており、キャンプ場や貸しボートなどの施設も充実しています。池の周辺は金剛生駒紀泉国定公園に指定されており、隣接する大阪府民の森くろんど園地とともに、豊かな自然が保護されています。その美しい景観から、生駒八景の一つにも選ばれています。

池の名称の由来は諸説あります。一つは、古語で山に沿った地形を意味する「クロ」に由来し、「クロに沿った谷の池」という意味であるという説。もう一つは、かつて蔵人頭が管理する田畑の灌漑のために築造されたことに由来するという説です。

古くは「黒構池」（『大和志』）、あるいは「黒蔵池」（『北倭村風俗誌』）とも呼ばれていました。

沿革

『北倭村風俗誌』（1915年調査）によると、黒添池は江戸時代の寛永元年（1624年）に着工され、翌年に竣工しました。その後、享保17年（1732年）、元文3年（1738年）、明和5年（1768年）に修理と拡張工事が行われ、規模が拡大されました。

昭和25年（1950年）から昭和39年（1964年）にかけて、隣接地に高山溜池が築造されたことで、黒添池は非常渇水時のための予備的な池としての役割を担うようになりました。

太平洋戦争後、京阪電鉄がハイキングコースを設定し、道標となる木杭を設置しました。昭和29年（1954年）には、黒添池の関係者によって観光協会が設立され、ハイキング客の増加とともに、周辺の施設や設備が整備されていきました。

アクセス

自家用車

国道163号高山大橋交差点から北へ約10分。
京奈和自動車道田辺西インターチェンジ、または第二京阪道路枚方東インターチェンジからそれぞれ約30分。

公共交通機関

近鉄奈良線富雄駅、または近鉄けいはんな線学研北生駒駅から奈良交通バス傍示行きに乗車し、獅子ヶ丘団地口で下車後、徒歩約15分。

参考文献

生駒市誌編纂委員会 編『生駒市誌（通史・地誌編）V』生駒市役所、1985年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年。ISBN 4-04-001290-9。

外部リンク

黒添池 - 生駒市デジタルミュージアム
くろんど池（くろんどいけ） - 2010年の奈良の実景／奈良県立図書情報館
【ネイチャーパーク】府民の森　くろんど園地 - 交野市
* くろんど園地 - 大阪府民の森

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