黒田高政 (戦国時代)

黒田高政は、生年不詳ながら大永3年（1523年）頃に没したとされる戦国時代の武将です。黒田重隆の父として知られています。

永正8年（1511年）の船岡山合戦において、高政は六角氏方として参戦しました。しかし、六角高頼の命令に背き、独断で行動したことが将軍足利義稙の怒りを買い、追放処分を受けたと伝えられています。その後、親族を頼り、備前国邑久郡福岡（現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡）へと移り住んだとされています。

ただし、高政に関する記述は、『江源武鑑』や貝原益軒編纂の『黒田家譜』といった史料に見られるものの、これらの史料の信憑性には疑問が呈されています。より信頼性の高い『寛永諸家系図伝』では、高宗と重隆の間を「此間中絶」としており、『寛政重修諸家譜』に至っては、高宗と重隆の間の代数に疑問があるとしています。これらのことから、高政は実在の人物ではなく、後世に創作された架空の人物であるという説も存在します。

高政の子孫は、播磨国において赤松氏や小寺氏の重臣として仕え、姫路城代などの要職を歴任しました。そして、安土桃山時代には豊臣氏、江戸時代には徳川氏に仕え、後世には福岡藩の祖となる黒田孝高（黒田官兵衛）を輩出しました。黒田孝高は、豊臣秀吉の家臣として数々の戦で功績を挙げ、その才能と忠義心で知られています。

黒田高政の墓所は、岡山県瀬戸内市長船町の妙興寺にあります。もし実在したとすれば、黒田家の歴史において重要な人物の一人であったと言えるでしょう。しかし、その実在を証明する確たる証拠がないため、今後の研究による更なる検証が待たれるところです。

高政をめぐる謎は、黒田家のルーツを探る上で興味深い論点となっています。伝説的な存在であるのか、それとも歴史に埋もれた真実の人物なのか、今後の研究の進展が注目されます。

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