黒谷ダム

黒谷ダム（くろだにダム）

黒谷ダムは、岡山県岡山市北区足守地区に位置し、笹ヶ瀬川水系の足守川に建設されたロックフィルダムです。このダムは、岡山県によって事業が推進されており、現在は岡山市北区役所黒谷ダム管理事務所がその管理を担っています。ダムの主な目的は洪水調節と灌漑であり、その機能を通じて地域に大きな利益をもたらしています。

構造と機能

黒谷ダムは多目的ダムとしての役割を果たしており、周囲の農業や住民の生活に欠かせない水資源を供給しています。洪水の時期には、貯水機能によって下流の被害を軽減し、乾燥した時期には灌漑用水として利用されます。このダムの存在は、地域の水管理において非常に重要です。

歴史

この地域は長年にわたり、干ばつや洪水に悩まされていました。特に1924年には大干害が発生し、水稲の収穫が50％以上減少したことが深刻な影響を与えました。この出来事は、地域住民に灌漑用の大規模な貯水池の設立を求めさせるきっかけになりました。

しかし、初期の建設計画は地元住民の反対に遭い、特に負担金が高いことが問題視されました。そこで、地元の自治体は協力して反対派を説得し、岡山県に対して建設の要望を陳情しました。1927年に着工した黒谷池は、当時の吉備郡福谷村において、高さ30メートルのアースダムとして1932年に完成しました。この完成によって、地域にとっての重要な水源が確保されました。

その後、黒谷池は半世紀以上の時間を経て老朽化が進み、地元住民から改修工事の要望が寄せられるようになりました。岡山県の調査が行われ、農林水産省の補助を受けて改修工事が実施されることとなります。この改修では、既存の施設を一部利用しながら、新しく下流90メートルの位置に堤体が建設されました。この工事により、黒谷池は黒谷ダムと改名され、洪水調節機能を持つ多目的ダムに生まれ変わりました。

年表

• - 1927年（昭和2年）4月: 黒谷池着工
• - 1932年（昭和7年）3月: 黒谷池竣工
• - 1975年（昭和50年）: 改修のための調査開始
• - 1984年（昭和59年）: ダム本体工事着工
• - 1990年（平成2年）3月: 黒谷ダム竣工

周辺環境

ダムの左岸には国道429号が通っており、アクセスも良好です。また、ダム下流には石の日時計が設置されており、周囲には公園や散歩道が整備されています。これにより、地域住民や訪れる人々はダムの景観を楽しむことができるほか、散策を通じて自然と触れ合う機会も設けられています。

このように黒谷ダムは、歴史的な背景とともに地域に必要な機能を提供し続ける重要なインフラであり、これからも地域に貢献し続けることでしょう。

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