黒部川第四発電所

黒部川第四発電所

黒部川第四発電所（くろべがわだいよんはつでんしょ）は、関西電力が運営する富山県黒部市に位置する水力発電所です。この発電所は、一般的に黒四（くろよん）と呼ばれ、黒部ダムからの水を利用して発電しています。2010年には、IEEEマイルストーンに認定されたことでも知られています。

発電所の概要

黒部川第四発電所は、1958年に世界銀行からの3700万ドルの融資を受け、その後1963年6月5日に完成しました。この発電所のために建設された黒部ダムでは、様々な困難が伴うトンネル工事が行われ、小説や映画『黒部の太陽』の背景にもなっています。現在は遠隔操作で運転されており、1966年には土木学会技術賞を受賞しました。発電を開始したのは1961年1月15日で、初期は1号機と2号機の合計出力154,000 kWでした。その後、1962年に3号機が運転を開始し、さらに1973年には4号機が増設され、総出力は335,000 kWに達します。2022年の改修工事の結果、総出力は337,000 kWに変更されました。これは、日本国内での一般水力発電所としては第4位に該当します。

環境への配慮

当発電所は中部山岳国立公園内に位置し、ここでの環境保護が重視されています。発電に関連する設備や輸送ルート、さらには送水管はすべて地下に設置される意図があり、厳冬期の雪崩のリスクからも守られています。使用されている水車はペルトン水車で、効率的な水力発電を実現しています。

アクセス方法

発電所へのアクセスは、黒部ダム経由と宇奈月温泉経由の2つのルートが存在します。ただし、一般の人々が利用できるのは、関西電力の関係者のみに制限されており、特別な見学会に参加することでのみ訪れることが可能です。黒部ダムからのルートは、黒部トンネルを通過するもので、長野県大町市からアクセスできる通年利用可能な道です。また、宇奈月温泉側からの場合、黒部峡谷鉄道を利用し、終点の欅平駅から関西電力の専用鉄道を経由する方法がありますが、この鉄道は冬季に運休するため通年利用できるとは限りません。

建設資材の輸送

建設に使用された資材は、北陸本線の黒部駅を起点として、富山地方鉄道を介して運搬されました。旧三日市駅から宇奈月駅間の路線は、黒部峡谷の電源開発のために設置されたものでしたが、1969年に営業を終了しました。現在、その影響が一部残っており、駅名の変遷も見ることができます。

登場作品

この発電所の建設にまつわるエピソードは、NHKの『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』でも紹介されました。また、2002年の『第53回NHK紅白歌合戦』では、中島みゆきが発電所の周辺で生中継を行い、多くの注目を集めました。2010年からは、この発電所を舞台にした関西電力の企業CMも放映されており、その特徴的な存在感を際立たせています。

黒部川第四発電所は、その発展の歴史と現代における技術の結晶として、多くの人々に影響を与え続けています。

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