齊藤貢

齊藤貢（さいとう みつぐ）氏は、日本の外交官であり、特に中東地域における外交に長年携わってきました。1980年に一橋大学社会学部を卒業後、外務省に入省。カイロでのアラビア語研修やオックスフォード大学での中東現代史専攻など、専門性を高めるための研鑽を積みました。

外交官としてのキャリアは、サウジアラビアやイスラエルといった中東の要衝での勤務から始まり、国際連合日本政府代表部では安全保障理事会の中東関係を担当するなど、国際的な舞台でも活躍しました。その後、外務省国際情報課長や在アラブ首長国連邦日本国大使館公使、内閣官房内閣審議官などを歴任し、2012年には在タイ日本国大使館公使としてタイとの関係強化に貢献しました。

2015年には駐オマーン特命全権大使に任命され、オマーンとの外交関係を深めるだけでなく、日本企業との連携を促進する役割も担いました。2017年には、自民党国際協力調査会会長である三原朝彦衆議院議員らとともに、オマーン当局や日本企業の幹部との意見交換の場を設け、相互理解と協力関係の促進に尽力しました。

2018年8月10日には、駐イラン特命全権大使に任命され、イランとの関係改善に尽力しました。2019年には、安倍晋三内閣総理大臣とハサン・ロウハーニーイラン大統領との首脳会談に同席し、両国間の重要な対話の場に参加しました。2020年10月8日には、ザリーフ外相に離任の挨拶を行い、同年11月13日に外務省を退官しました。

退官後の2021年9月22日には、東洋英和女学院大学の非常勤顧問に就任し、後進の育成にも力を注いでいます。また、岡崎研究所のコメンテーターとしても、国際情勢に関する分析や解説を行っています。

齊藤氏の著書に『イランは脅威か―ホルムズ海峡の大国と日本外交』（岩波書店、2022年）があり、イランの政治や外交について詳細な分析を展開しています。この著作は、日本の外交政策を考える上で重要な視点を提供しています。

また、齊藤氏と同期入省の外交官には、末松義規氏（元内閣府副大臣、元衆議院議員）、石井正文氏（元インドネシア大使、元国際法局長）など、多数の著名な人物がいます。

齊藤氏の多岐にわたる経験と知見は、日本の外交政策における重要な財産であり、今後の活躍にも期待が集まります。

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