ハサン・ロウハーニー

ハサン・ロウハーニー：イランの穏健派政治家

ハサン・ロウハーニー（حسن روحانی, Hasan Rouhani）は、1948年11月13日生まれのイランのシーア派ウラマーであり、政治家です。彼はイランの第7代大統領を2期8年に渡り務めました。

経歴

ロウハーニーはセムナーン州ソルヘ出身で、テヘラン大学を卒業後、イギリスのグラスゴー・カレドニアン大学で博士号を取得しました。イラン・イスラム革命前は、反シャー運動に参加し、モハンマド・レザー・パフラヴィーの国家運営に反発しました。イラン・イラク戦争時は、高等国防委員会委員、イラン空軍司令官、イラン国軍副司令官を歴任しました。

1999年と2004年には日本を訪問しています。2013年のイラン大統領選挙に立候補し、保守派の有力候補を破って当選しました。

大統領時代

2013年8月3日、ロウハーニーはイラン大統領に就任しました。彼は第一副大統領に改革派のエスハーグ・ジャハーンギーリーを任命し、国会で信任を得た閣僚と共に政権を運営しました。

2016年の第5期専門家会議選挙ではテヘラン選挙区で当選し、第10期国会議員選挙ではロウハーニー寄りの改革派・穏健派が躍進しました。2017年の大統領選挙では再選を果たし、2期目を務めることとなりました。

対外政策

ロウハーニー政権は、対外政策において大きな転換を見せました。2013年9月には、6カ国との核協議の担当を外務省へ移管し、同年9月27日には、アメリカのバラク・オバマ大統領と電話会談を行いました。これは、イラン・イスラーム革命後、初めての米大統領との直接接触となりました。

アラブ諸国の中ではオマーンを最初に訪問し、2014年にはイギリスのキャメロン首相と会談しました。しかし、2016年に革命防衛隊が弾道ミサイルの発射実験を行った際には、核合意を妨げるものとして批判しました。

2019年12月には日本を訪問し、当時の安倍総理大臣と会談しました。

人物像

ロウハーニーは、ペルシア語、アラビア語、英語を流暢に話します。彼は厳格で公平な性格であり、保守穏健派として、従来の強硬路線とは一線を画しています。彼の穏健な姿勢は、イラン国内外で一定の評価を得ていますが、国内の保守強硬派からは批判も受けています。

ロウハーニーは、イランの政治において重要な役割を果たし、その政策はイランの将来に大きな影響を与えています。

脚注

ハサン・ロウハーニー オフィシャル・サイト
戦略研究センター
ペルシア語
英語

もう一度検索