齋藤正樹

齋藤正樹（さいとう まさき）

概要

齋藤正樹は、1943年10月13日に広島県で生まれ、2013年11月2日に亡くなった日本の外交官です。駐カンボジア大使、駐ニュージーランド大使、そして交流協会台北事務所代表といった要職を歴任しました。

人物

1966年に東京大学教養学部を卒業後、外務省に入省しました。同期には、野上義二、浦部和好、孫崎享、大塚清一郎といった著名な外交官がいます。外務省では、大臣官房領事移住部長などを務め、その後、カンボジア特命全権大使、ニュージーランド兼サモア特命全権大使を歴任しました。

2008年には、交流協会台北事務所代表に就任しましたが、翌年、台湾の国立中正大学での講演における「台湾の国際的地位は未定」という発言が、台湾の馬英九政権から「中華民国の主権を否定するもの」として強い反発を受けました。この問題を受け、齋藤氏は辞任することとなりました。辞任の理由は「一身上の都合」とされていますが、事実上、発言の責任を取ったと見られています。

略歴

1966年 - 外務省入省
1981年 - 外務省条約局国際協定課条約審査官
1982年 - 外務省経済局海洋課長
1984年 - 外務省国際連合局経済課長
1986年 - 在香港日本国総領事館領事
1989年 - 在中華人民共和国日本国大使館参事官
1990年 - 在中華人民共和国日本国大使館公使
1992年 - 在シアトル日本国総領事館総領事
1995年 - 外務省大臣官房領事移住部長
1997年 - 駐カンボジア特命全権大使
2000年 - 財団法人国際開発高等教育機構専務理事
2003年 - 駐ニュージーランド兼駐サモア特命全権大使
2007年 - 外務省退官
2007年 - 財団法人マルチメディア振興センター顧問
2008年 - 財団法人交流協会台北事務所代表
2009年 - 辞任
2010年 - リョービ株式会社監査役、第1次FECニュージーランド経済事情等調査団顧問
2013年 - リョービ株式会社監査役 死亡退任

台湾における問題

2009年の国立中正大学での講演で、「台湾の国際的地位は未定」と発言したことが、台湾政府の強い反発を招きました。この発言は、台湾の主権を否定するものと解釈され、台湾外交部から厳重な抗議を受けました。この問題が、齋藤氏の辞任につながったとされています。

まとめ

齋藤正樹は、長年にわたり日本の外交に貢献した人物であり、多くの重要な役職を歴任しました。しかし、晩年には台湾での発言が原因で辞任することとなり、外交官としてのキャリアに影を落としました。彼の生涯は、外交の難しさと複雑さを物語る一例と言えるでしょう。

外部リンク

交流協会台北事務所（日本語）: 代表挨拶: 齋藤正樹代表略歴
海峡両岸論NO.5：「斎藤発言」のなぞに迫る 台湾主権問題とは何か

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