齋藤行

齋藤 行（さいとう こう）

齋藤行は1953年に生まれた日本のクラリネット奏者であり、指揮者としても活躍しています。彼の音楽キャリアは岩手県立黒沢尻北高等学校の卒業から始まり、その後1973年に国立音楽大学の器楽科に入学。彼は大橋幸夫、浜中浩一という優れた指導者の下でクラリネットを学びました。

1977年に大学を卒業すると、彼は西ドイツ（現在のドイツ）の国立北西ドイツ音楽アカデミー・デトモルトに留学します。デトモルトでは、ヨースト・ミヒャエルス、ゲルハルト・アーベルト、ハンス・ディートリッヒ・クラウスといった名教師の下でクラリネットを学び、室内楽ではF.ヴィルヘルム・シュヌーアにも教えを受けました。1980年に首席で卒業した後も、指揮科に在籍しマルティン・シュテファーニ、ヘリベルト・バイセルから指揮を学びました。1982年に帰国し、以後毎年初夏にリサイタルを開催するようになります。

クラリネット奏者としての活動

毎年恒例のリサイタルは、藤井一興（ピアノ）との共演で行われ、特にアンコールでのインプロヴィゼーションは聴衆に好評を博しています。また、NHK-FMなどの放送でも定期的にパフォーマンスを行っています。室内楽に関しては、2009年より「齋藤行と仲間たち 木管三重奏の夕べ」という演奏会を開催しており、これには多くのファンが集まります。

このアンサンブルは、2004年までのメンバーである齋藤行（クラリネット）、東郷良英（フルート）、伊藤恒男（ホルン）、石井淳（ファゴット）から、2005年以降は北島章（オーボエ）が参加する形に変わりました。

指揮者としての活動

帰国後の1983年から、齋藤は日本国内で吹奏楽の指導に取り組んでいます。1984年から2004年までは青山学院大学学友会吹奏楽部の常任指揮者として活動し、その後はルノワールウインドオーケストラの指揮者としても活動しました。さらに、青山学院大学OB吹奏楽団では1995年から現在に至るまで常任指揮者としての役割を担っています。

編曲者としての活動

齋藤行の指揮者としての活動の一環として、吹奏楽やクラリネットアンサンブルへの編曲も多岐にわたります。特に、他の編曲が少ない作品に関しては、彼の手による編曲が非常に貴重です。2012年には、長らく待たれていた吹奏楽編曲作品が「ミュージック・ベルズ」より出版され始めました。

彼の編曲作品には、例えば、ニールセンの「アラジン」の組曲や、バッハの「パッサカリアとフーガ」、またボロディンやベートーヴェン、グノー、ムソルグスキーといった様々な作曲家の作品が含まれており、多彩なレパートリーを持っています。特にバッハの作品やショスタコーヴィチの交響曲、ブラームスの「ハンガリー舞曲」など、クラシック音楽の名曲を新たな形で楽しむことができます。

齋藤行の音楽への情熱と幅広い活動は、多くのファンや演奏者に影響を与え続けています。

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