龍山線

龍山線：ソウルを繋ぐ鉄路の歴史と現在

龍山線は、大韓民国ソウル特別市龍山区の龍山駅と、同市西大門区の加佐駅を結ぶ、韓国鉄道公社（KORAIL）の鉄道路線です。この路線は、首都圏電鉄京義・中央線の一部を構成しており、旅客案内では「京義・中央線」として案内され、「龍山線」という名称が用いられることはありません。

歴史

龍山線の歴史は、1906年4月3日に、龍山駅を起点とする京義線の一部として、日本統治下で開通したことに始まります。当初、現在の龍山駅 - 水色駅間がその区間でしたが、1920年に南大門駅がターミナル化されると、新村駅を経由して水色駅と京城駅を結ぶ新線が開業。これにより、従来の龍山駅 - 水色駅間は一時的に廃止されました。

現在の龍山線が誕生したのは、旧京義線の跡地である龍山駅 - 西江駅間を流用し、西江駅 - 加佐駅間を新設して旅客営業を開始した1929年のことです。この時、新村連結線と唐人里線も接続路線として開通しましたが、これらは後に全線が廃線となっています。1943年には水色駅に操車場が新設され、旧京義線は貨物路線として全線が復活しました。

韓国独立後の1975年、唐人里線への旅客輸送が中断され、龍山線は貨物専用線となりました。しかし、2000年代に入ると、京義線沿線の人口がニュータウン開発によって大幅に増加したため、龍山線を首都圏電鉄の一部として再整備する計画が立てられました。この計画では、中央電鉄線と京義電鉄線の直通運転を行うことが目標とされました。

この計画に伴い、龍山線は地下化されることになりました。地上の貨物線は、2004年に孝昌駅 - 西江駅間、2005年には西江駅 - 加佐駅間の線路が撤去されました。龍山駅 - 孝昌駅間は、一時的に龍山駅から出る回送列車の待避線として使用されていましたが、2009年に線路が撤去され、その跡地は麻浦区によって公園や遊歩道として整備されました。

地下電鉄線は、当初2012年に全線開業する予定でしたが、孝昌駅付近で用地問題が発生したため、計画が一部変更されました。2012年12月15日に孔徳駅 - 加佐駅間が先行開業し、京義線の電車が乗り入れるようになりました。残る孔徳駅 - 龍山駅間は、2014年12月27日に開業し、中央線との直通運転が開始され、京義・中央線を構成する路線となりました。また、2016年4月30日には、孝昌駅がソウル都市鉄道6号線に合わせて孝昌公園前駅に改称され、営業を再開しました。

2018年の平昌オリンピック期間中の臨時ダイヤでは、仁川国際空港第2ターミナル駅を発着するKTX京江線のうち、ソウル駅を経由しない列車が本路線を経由して運行されました。

また、仁川国際空港とソウル駅を結ぶ仁川国際空港鉄道も、水色駅 - 孝昌公園前駅間をほぼ平行して建設されています。

駅一覧

駅所在地は全線ソウル特別市内。



* 緩行、中央急行は各駅に停車するため省略しています。

龍山線は、その歴史の中で、貨物輸送から都市の発展を支える重要な旅客輸送へと役割を変えてきました。ソウル市内を繋ぎ、首都圏の交通網を支える重要な路線として、現在も多くの人々に利用されています。

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