龍福寺 (山口市)

龍福寺

龍福寺は、山口県山口市にある曹洞宗の寺院です。瑞雲山と号し、本尊は釈迦如来を祀っています。この寺は、大内氏ゆかりの寺として、深い歴史と文化を持っています。

歴史

龍福寺の起源は、建永年間（1206年 - 1207年）に大内満盛が山口の白石に創建した瑞雲寺に遡ります。当初は臨済宗に属していましたが、享徳3年（1454年）に大内教弘が開基となり、雪心を開山として中興され、曹洞宗に改められました。この時、現在の山号と寺号になったとされています。

天文20年（1551年）には、陶晴賢が主君・大内義隆に対して起こした謀反（大寧寺の変）により兵火で焼失しました。しかし、弘治3年（1557年）に後奈良天皇の綸旨を受け、毛利隆元の開基によって現在地（大内氏館の跡地）に移され、自害した義隆の菩提寺として復興しました。

明治14年（1881年）には再び山門などを残して全焼しましたが、明治16年（1883年）に大内氏の氏寺であった氷上山興隆寺（山口市大内氷上）の釈迦堂（室町時代建立）を移築して本堂としました。この本堂（旧興隆寺釈迦堂）は、昭和29年（1954年）に重要文化財に指定されています。

本堂は移築時に屋根の垂木が取り換えられるなどの改造が施され、老朽化も進んでいました。そのため、保存修理を行うこととなり、学術調査を経て、後世の改造部分を復旧し、室町期当初の状態に復元する工事が、平成18年（2006年）から約6年間かけて行われました。

龍福寺は、大内氏館跡に建てられた寺であるため、境内全域が国の史跡「大内氏遺跡 附 凌雲寺跡」の一部として整備されています。また、境内にある龍福寺資料館には貴重な史料が保管・展示されています。

文化財

重要文化財（国指定）

釈迦堂（本堂）: 入母屋造、檜皮葺きの建物で、室町時代の建立です。当初は大永元年（1521年）の建立とされていましたが、解体修理時に発見された部材墨書や古文書の精査により、文明11年（1479年）の建立と判明しました。2006年2月から復元解体修理工事が実施され、2012年4月に竣工しました。この復元修理では、明治の移築時に瓦葺きに改められていた屋根を檜皮葺きに復旧したほか、改造されていた間仕切り、須弥壇、建具などが復旧されました。

山口県指定文化財

絹本着色大内義隆画像: 室町時代の作品で、掛幅装です。寸法は縦77cm、横37.8cmです。

龍福寺は、大内氏の歴史と文化を今に伝える貴重な寺院であり、訪れる人々に静寂と安らぎを与えてくれます。

外部リンク

龍福寺とは - 山口市文化政策課
龍福寺本堂・龍福寺資料館 - 山口市観光情報サイト 西の京 やまぐち（山口観光コンベンション協会）
* 龍福寺本堂 - 山口県の文化財（山口県教育庁）

もう一度検索